Mike Shinoda : tumblr この折り鶴の話題は、当初は全く別なことを書こうとしていた。マイクが3月に鶴を折り 始めたことを4月に知って、「折り鶴」というキーワードが10年前のある出来事を思い出 させ、私には不思議で仕方なかったからだ。けれどそれならば、私が一人不思議がって いればいいだけのことなので、やめた。
マイクが鶴を折り始めた理由はわからない。当然その時点でチェスターが、まさか自死
でこの世を去るなんて、誰が想像し得ようか。
チェスターの訃報は、大きなダメージだった。私がする必要のない心配までして、本当
に身内を失ったように心が離れなかった。あまりにも思いが交錯して、収拾がつかない。 思いのアウト・プットも必要な気がしたので、下書きにあれこれ書いては放置を繰り返し ていた。
そうこうするうちにマイクが千羽鶴を折り終えたのを知り、彼のことだから通常の千羽鶴
にはならないだろう。どう仕上げるのかと楽しみにしていたら、素敵に出来上がった。
その後のことだった。誰のTwitterだったか、海外のファンからのTweetにあった画像 が目に留まった。あるハッシュタグにその人が投稿した、折り鶴に関したとてもエモーショ ナルなこと。それを辿ったら、日本語に翻訳された画像も後に発見。それで折り鶴の話 題を無性に書きたくなった。そのハッシュタグとは…。
↓ これは海外のLinkin Parkファンが最初に#onemorewishというハッシュタグへ投稿 したものを、日本のLinkin Parkの(たぶん)ファンサイトが翻訳したもの。日本とは時 差があるため、Tweetにはチェスターの死後3カ月の日本時間の日時が添え書きして あった。↓
日本の折り鶴がこんなふうに、人への慰めや思いやりを託せることを海外の人が知って いるのは、「貞子と千羽鶴」という本の影響もあろう。広島を訪問したオバマ前大統領の 折り鶴や、今年3月国連本部で行われた「核兵器禁止条約」の制定を目指した会議で、 不参加のために空席になった日本代表の机の上に、「wish you were here(あなたがここ にいてくれたら)」と書かれた折り鶴が置かれていたというニュースも、記憶に新しい。
そしてマイクは日系三世だ。マイクファンならば多くの人が、マイクが3月から鶴を折って
いたことも知っていただろう。そしてそれが折り上がったことも。
そんなところからヒントを得て、最初のTweet主のリンダさんの「One more wish」 になったのだと思うが、それを見た時に私は日本人としてとてもうれしかった。そのTweet を見た日が、記事を書き始めた9月11日だ。
Tweetの内容の実行は、チェスターの3回目の祥月命日に予定されていた。日本時間
では10月21日の未明だった。なので本当はそれまでに記事を更新したかったのだけ ど、そんなことは気にする必要もなかったようだ。
今これを書きながら、ハッシュタグを表示させたブラウザのタブを見ていると、祥月命日
から一週間過ぎた今でもTweetが少しずつ増えているのだ。ファンはきっと、メンバー や遺族のためにどんなささやかなことでも、自分にできることがあるならと思っている。そ の気持ちがこのハッシュタグのTime Lineを伸ばし続けているのだろう。
チェスターの追悼ライヴを明日に控えて、メンバーはナーバスになっていると思うが、私
でさえ怖い。何が?それはチェスターの訃報を知った時の、「どうして?」というあの憤り に行き着いてしまうから。チェスターが、その命と共に天へと持って行ってしまったもの の、影響力が怖いのだ。
同時に、苦楽を共にしたメンバーや友人や愛する家族でさえも、彼を引き止める存在に、 誰一人としてなり得なかったという、その事実を知ってしまった人たちの心のうちを思った 時に、胸がまるで物理的に軋んだかのように痛んだあの日から、あっという間に3カ月 が経ってしまった。
もう、少しの覚悟ができている。また気が変わるかもしれないけど。その時はまた、べそ
べそ泣かせてくれたらいい。チェスターは楽しいやつだったから笑顔で、なんて言える ほど健康でない私は、うっかりすると「ああ、わかるよ」って気持ちの方が幅を占めてし まうのだから。
あ゛…だめだ。やっぱりまとまらないままになってしまったわ。
★ Linkin Park - One More Light ★
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