差し入れから見えてくる籠池夫妻の近況と接見禁止の実情／赤澤竜也


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　　　　　　　　　籠池泰典氏は、なかなか頭の切れる、不屈の精神を持った人のようだ。そうか、家族さえ接

　　　　　　　　　見の許されないような状況では、そんな方法があったか。

　　　　　　　　　あの菅野完氏は「籠池泰典氏が妻の諄子さんを見る時の目は、いつもとても穏やかでやさ

　　　　　　　　　しい」というようなことを言っていた。それが目に浮かぶような様子が、記事中のある写

　　　　　　　　　真に添え書きされている。著者の赤澤氏の構成の巧さ。

　　　　　　　　　このルポを読むと、拘置置所から夫婦が出られたその暁には、二人がその後をどのように

　　　　　　　　　生きていくのかということに、野次馬根性の域は出ないんだけれど、非常に興味をそそら

　　　　　　　　　れて仕方ない。大袈裟太郎氏によるとあの諄子さんが逮捕前、「人権って大事やなあ」

　　　　　　　　　と何度も口にしていたと言っていた。

　　　　　　　　　誰もが言うように過去園児たちに籠池夫妻がしたことは、到底許されることではないが、

　　　　　　　　　何かに気づかされて、価値観が大きく変化した時、人はどんな行動になるのだろう。この

　　　　　　　　　夫妻は、それを見せてくれるような気がしてならないのだ。

　　　　　　　　　なかなか読みごたえのあるルポだった。

　　　　　　　　　この頃、私の知らないことを教えてくれ、私ができないこういった人道的な支援活動をし

　　　　　　　　　ている人に、多少でも協力したい願望がむくむく湧いてきて、ちょいと困った困った。