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2024.08.22
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■それはいつごろからだったろう。「火垂るの墓」がネットで話題に挙がる

時の、昨今の‟あるある”。清太と節子がただただ可哀想でならなかった昔と

違い、年を経た今では感想が違うと。清太はもう中学生。居候なのに勤労奉

仕も何もしないで、遊んでばかり。あの意地悪なおばさんの気持ちがわかる

ということに賛同が集まり、節子の死は清太が悪いのだという話で終始する

ようになった。つい先日も「火垂るの墓」がトレンドにあった。やはり同じ

ような内容のTweetが並んでいた。原作の野坂昭如さんは、本にこう書いて

いたという話を書いてくれた人も何人かいた。それで、今これを書くために

ちょっと映画​「火垂るの墓」のWikiを読んでみた。その中の「監督の意図」

にある高畑薫監督の言葉の鋭さに、かなりギクッとする。
「【前略】清太は節子を死なせてしまう。しかし私たちにそれを批判

できるでしょうか。我々現代人が心情的に清太に共感しやすいのは時

代が逆転したせいなんです。いつかまた時代が再逆転したら、あの未

亡人(親戚の叔母さん)以上に清太を糾弾する意見が大勢を占める時

代が来るかもしれず、ぼくはおそろしい気がします」

​■↑これを読んでチラッと思った。このWikiがいつ頃書かれたのか知らない

が、高畑監督のこれを読んだ何者かが、あのおばさんじゃなく、清太が悪い

という書き込みをしたとする。他の複数の誰かがそれに賛同する。ネット世

論は、何かの目的をもってわざと操作されることもあるだろうことを。イン

ターネットというものの普及によって、そんなことを懸念しなければならな

いようにもなった。果たして、今はいったいどんな時代なんだろう?↓これ、

まるで「墨が塗られる前の墨ぬり教科書」みたいじゃないか。なんというあ

からさまな…。皆さんのお子さんやお孫さんの漢字ドリルは、大丈夫ですか?

 【追加】

■こちら2021年のTweetなんですが、これは実際の漢字ドリルのようです。

​少なくとも、もう3年間使われ続けている​。やはりTweetがバズって、

大勢の人が話題にするって必要なんだな。

■「婦人公論」に掲載された、1967年の野坂昭如さんの手記です。​ 戦争当

時に亡くなった、妹さんへの贖罪の思いが綴られています。​

  ​野坂昭如が綴る『火垂るの墓』の原点​ 





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最終更新日  2024.09.06 04:05:03
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