無言の主張
一昨年も昨年も、ずいぶん遅くまで淡く煙るような繊細な花を、 次々に咲かせてくれた小学校の合歓の木が、今年全く咲かない。 せめてひと花くらい咲いていないかと見ていた私の目に飛び込んで来たのは、 となりに植えられた藤棚の藤色だった。私の位置から見える範囲で、花房は3つ。 蝉しぐれの降る炎天下に、初めて見た7月の藤の花だった。 公園周辺に蒔かれた今年の向日葵は、茎は太いのに地上60センチ低度しか伸びず、 種の部分が異様に面積の広い、それでいて花弁がその大きさに釣り合わず、 何やらずんぐりむっくり。頭でっかちなために、うなだれて下を向いたまま しょげているようにしか見えない。 太陽へ向かってぐんぐん伸びる印象の向日葵らしからぬ、寂しげな姿になってしまった。 思えば今年は冬から寒暖の差が極端で、そのおかしなまま夏になった。 木や花たちはいったい、人の営みの何を引き受けて、あのようになってしまったんだろう。 ★ Garbage - Milk (I'm waiting for you) ★