なんちゃって聖骸布
それまでだって時々は思い出していた。9月の初旬頃にもなんとなく思い出して、「あ、そうい えば…」と、追加で頭に浮かんだことがある。 そう思ったら、あら~まさにそんな感じだわ~うんうんと、一人妙に納得したあとで、こんなこ と考えたのは初めてだなーと、ひとしきりとーーーーい目になりながら、思い出すその場面。 押し入れにしまってある、一枚のタオルケット。柄と肌触りが好きで、一昨年までは私が使って いた。元々自分用に買ったタオルケットだったし。 けれどもう古いものなので、洗濯したら糸が緩んできてしまった。でも…だから多分もう使えな いので、捨てる以外の選択肢はないとわかりつつ、捨てられないでいる。あ、そうだ、私の棺に 入れてもらえばいいかな。 このタオルケットに、この部屋で、私の前にくるまれていた人がいる。病室で使っていて、病理 解剖後に霊安室からかけられたまま、翌日部屋で棺に納められるまで、枯れ枝のように瘦せてし まった夫をくるんでいた。 追加で思ったのは、あの時のタオルケットはなんだか、”なんちゃって聖骸布”みたいだったな ぁってことなんだけど、さっきまで忘れていた。YouTubeで手塚治虫の「火の鳥」を見ていたら、 突然思い出したので、彼の誕生日の日付で更新しておくことにしたが、しょ~もない話で…m(_ _;)m★ Jony- Love Your Voice ★Powered by イラストACのたかみつさん