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2005.09.12
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カテゴリ:夢のような夢の話
「あいつさえいなければ」って人は、きっと誰にでもいるんだと思う。

クラスのむかつくヤツとか、先生とか、ママとかパパとか。

わたしの場合は、それがおねえちゃん。

おねえちゃんだったってだけ。

だからと言って、おねえちゃんと仲が悪いわけでもない。

誰から見たって仲の良い双子の姉妹だって。

小さい頃から言われてきたもん。

ほんとうに、ふたりは仲がいいね、って。

わたしは本当におねえちゃんが好きだし、

おねえちゃんもわたしのことが好きだと思う。

だからいっつも一緒にいてなんでも半分に分けっこした。

最初はよかったんだけど、わたしはちょっと欲張りだから

おねえちゃんよりちょっとだけ多くもらったりして、

でも、おねえちゃんは優しいから「いいよ」って言ってくれて、

なのにだんだんそれでも分けっこしたくなくなって

わたしが全部欲しいって思うようになって、

だからおねえちゃんが居なくなればいいのにって思っちゃった。

だから、きっとバチが当たった。

ママとパパとおねえちゃんとわたしでスキーに行ったとき、

おねえちゃんが止めようって言ったのに

すっごくスキーが楽しかったから急な方のコースに行って、

すごい吹雪になって迷っちゃった。

もう死んじゃうんだって思って泣いてるわたしに、

「大丈夫だから」って風をよけれる斜面の影に連れてってくれて、

それから寒くないようにおねえちゃんとずっと、ぎゅっと抱き合ってた。



神様ごめんなさい。

もう二度とおねえちゃんが居なくなればいいなんて思ったりしません。

だから、これからも、ずっとおねえちゃんと居られるように

助けてください。



そうやって祈った。

祈って、祈って、そしたら眠くなってきて

おねえちゃんが眠っちゃダメって言ってたのに

眠ってしまった。

神様って本当に居るんだと思う。

だって、助かったんだもん。

ずっとおねえちゃんにしがみついて、祈ってたお陰だと思う。

起きたら救助の人がわたしの身体を揺さぶって

「もう、大丈夫だよ」って言ってて

わたし、すごくうれしくておねえちゃんに「良かったね」って何回も言った。


















救助の人が、「もう一人の子は?」って変なことを言ってたけど、

ああ、でも仕方ないよね。

ずっとふたりで一晩中くっついてたんだもん。

どこからがわたしでどこからがおねえちゃんか、

もう分からないもんね。

人から見たら。

パパとママも分かんなかったんだもん。





ねぇ、おねえちゃん。

ずっと、一緒だよ。

ずっと、分けっこしてるから。

こんどは、ちゃんと、半分ずつ、ね。





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Last updated  2005.09.12 20:46:09
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