ヘンリック・イプセン(原千代海訳)『人形の家』
~岩波文庫、1996年~
(Henrik Ibsen, Et Dukkehjem, 1879)
ヘンリック・イプセン(1828-1906)は、ノルウェー出身の詩人・劇作家。いくつかの劇を発表するも、失業などでノイローゼになりながらも、政府の研究旅行助成金を獲得後、ローマに合計10年あまり、ドレスデンに6年、ミュンヘンに11年と、ノルウェー国外で長く過ごすことになります。1890年、ノルウェーに戻ってからは南へは戻らず、創作を続け、1906年5月に亡くなりました(訳者による「イプセンについて」本書187-198頁を参照)。
さて、『人形の家』はイプセンによる代表的な戯曲です。
舞台は、銀行の頭取になることが決まったトルヴァル・ヘルメルの家。トルヴァルの妻、ノーラが主人公です。
過去に、病に苦しんだ夫を救うため、夫に内緒で借金をしていました。しかし、その貸主がノーラを脅迫してきて…という筋書きです。
トルヴァルはノーラをかわいがるのですが、結局は自分の名誉ばかり気にしていて、ノーラがそこに気づいていくシーンは圧巻でした。
久々に読み返して良かったです。
(2023.05.20読了)
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