さて、明けて二日目。シングル宿泊なので、宿の夜は特にすることがありません。なので、普段ではありえない日付変更線の前に寝て、４時前に起きてしまい、そこからうとうと過ごします。辛抱たまらず５時に起床。もともと少ない荷物の整理とか部屋の片づけをして、朝風呂へ。

　朝風呂から帰ってきて気象情報をみると、中国地方はほぼ全域雨です。

　窓の外をみると降雨は確認できませんが、たまたま今だけラッキーなのかもです。

　はぁ・・・。天気図では前線が横たわっていたので、それは西から東へ移動するはず。午後から雨、ということなら前線と追い駆けっこという形ですが、すでに降ってるなら、帰路はずーっと雨を覚悟です。

　気分は、このシーンです。

　どの大和の映画でも挿入されるシーン。沖縄へ向かう大和以下の艦艇が敵機に発見され、迫る空襲に備え艦長が露天の防空指揮所に上がるシーン。

　来るかぁ・・・。憂鬱と緊張が混ざります。まさに兜の緒を締める気分です。と、こんな演出で雨を迎えます。

　それにしても艦長は偉いし、責任重大です。弾幕を抜け、必中の爆撃姿勢に入った爆撃機を確認し、爆弾投下の間合いを計り、転舵の回避指示を出し続けるんですから。雷爆同時なんて選択の嵐です。艦を守る責務を直接果たしてます。見習いたいものです。

　気分を盛り上げ、朝食を食べに行きました。席について、両手を合せて、いただきます！腹減ったぁ！

　毎度思います。なぜ泊まりの朝食はこんな量を食べられるんでしょう。普段、朝食を食べてないだけ驚きです。しかし、この魚の甘露煮が・・・。シシャモとか焼き魚の小魚なら頭からいけますが、煮られるとひるみます。

　厚いくちびるが、なんか、生感を演出。小さいだけに不安なのが、臓物除去OK？

　普通に頭から丸ごと食べて、平然を装ってましたが子供なのでそんなことを考えていました。ま、おいしかったですけどね。

　朝から、焼き物？って思ったら、どうも違うようで、蓋を上げてみると、中は紙だけ敷かれていて、ベーコンと卵でベーコンエッグを作ってお召し上がりください、とのこと。どこか違うホテルでもそういうのあったような気がします。

　ベーコンを敷いてから火をつけたんですが、隣の席の方からスタッフさんへの質問が、

「これ、紙だけど火つけても大丈夫？」

　という質問。まあ全うな疑問です。スタッフさんの、

「大丈夫ですよ。」

　という回答。

　あれです、水を入れた紙コップを下からライターであぶっても燃えないのと同じ、水は入っているところまでは燃えない、っていうやつ。

　そんなんでエッグを焼きながら食べてたんですが、隣から聞こえてきた会話が哀愁。

「紙、燃えてんぞ・・・。」

　紙と卵と燃料の位置が悪かったんでしょうね・・・。自分の紙も焦げ目が付いてきたので、あわてて燃料の位置をずらしました。隣も自分もメラメラと燃えるようなこともなく、済みましたが、燃えたら朝からひと騒動でした。難燃性の材質なんでしょうか。

　ひとりでしたがご飯をおひつまるごと完食です。

　食堂にはホットのコーヒーは見当たらなかったので、洗顔とかの身支度の間、缶コーヒーをポットで湯せんしておきました。

　出発前にコーヒーブレイク・・・。うまい・・・。ホットを求めるなんて、朝とは言え、冷夏なんでしょうね。

　８時１０分にチェックアウト。フロントから外の車庫をみるとシャッターが下りたままです。

「シャッター、開いてませんね。」

「大丈夫ですよ、今開けますから。」

　支払いを済ませた後、一緒にフロントの方が外に出てきてくれました。天気も悪いのに申し訳ないな、って思ってたら、玄関脇のスイッチのようなものを操作したようです。

「今から開きますんで。それではお気をつけて。」

　あれ、シャッター上がり始めた？遠隔操作とは。

　歩きながら車庫に近づく間、シャッターもゆっくり上昇です。中をのぞくと暗がりの中に、マイバイクが鎮座。

（おー、なんか秘密兵器っぽい！）

　なんて、わくわくしましたが、降雨は感じないものの路面は完全ウェット。テンション下がります。車庫の中で始動はうるさそうなので、屋外に出して暖機します。

　８時半前にスタートです。昨日より３時間くらい遅い出発です。

　宿の近くは降っていなかったんですが、少し離れるとスクリーンはこの状態。またまた変。路傍の水溜りには雨粒の波紋とかないんですけど？

　上斎原温泉から南下開始早々、先の空は真っ白なのでしっかり降っていそうです。出てきた道の駅奥津温泉でレインを着込みました。

　気を取り直して、R179 を南下再開。今回の岡山ツーリングの目的地、津山を目指します。

　津山といえば、戦前の陰惨な事件が有名ですが・・・。いえいえ、レアな有名スポットがあるのでここまで来たのです。

　その目的地は９時から開くので、その前に時間調整で寄り道です。

　それは道の駅。トイレ休憩？コーヒーブレイク？

　いえいえ、ここには

　有名な、

　これがあります。

　Ｚガンダムです。

　ここには一度２００６年に、映画「男たちの大和」ロケセットを見に行く途中で訪れましたが、夜でよく見えませんでした。今日は曇天ですが、明るいもとでのご対面。

　トイカメラでパチリ。まるでGSXカラーです。ほっ、うまく収まってました。普通のSDカードを使っているので、出先では撮影された画像を確認することができません。それが、面白みではありますけど。

　少し接写。これ、中央ハッチに人が乗れるように設計されているようです。

　背面はこんな風に固定されてます。

　１９９９年に完成してるんですね。脚部を動かせるように設計されてるというのがすごいです。ただのはりぼてで終わらせていないのが、他に見聞きするガンダムコピーとは違います。

　ガンダムは詳しくないので、そもそもＺガンダムの勢力の設定が複雑で？理解できてませんが、当初のガンダムの登場人物も多数出てくるので、わくわくしたものです。メカデザインも初代ガンダムからしたら相当垢抜けたかと。

　初代ガンダムに登場するモビルスーツは、重機です。多分、それは的を得ています。

　そんなＺさんに感謝状が贈られていました。

　雨のせいか、時間が早いせいか、ネタとしては３巡目くらいしてるせいか、自分が滞在している間に他に訪れるひとはいませんでした。

　ここで時間もちょうどよくなったので、次のスポットに向かいました。

　その４に続く。