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カテゴリ:ツーリング/散歩日誌
愛知に住んでからずーっと行ってみたいルートが何本か。ひとつは天下の酷道157号。もうひとつが天竜川を遡上する分断国道R152号です。 マップルをみていて、こころ踊る「日本のトンネル技術が敗退」という煽り文句の青崩峠。R152号はもう一か所分断されていて、飯田市のパートも未開通。どちらも舗装林道で結ばれています。青崩峠はヒョー越林道で。飯田市側は蛇洞林道でつながります。ヒョー越、兵越。兵越峠は自分が大好きな武田信玄が遠州に向かって兵馬を進めた峠、とあります。さらに酷道をよく走る自分は行っておきたいルートです。 ルートは分断国道R152。目的地は、八ヶ岳。あの雄大な八ヶ岳を久しぶりに堪能したい。その麓をぐるっと回って、野辺山、清里、その前に高所の麦草峠をパスしてー、こんなルートです。 キャンプ場も目星は付けてあります。強気の料金設定が多いエリアの中では割安なのです。 ナビでルートを設定しようとしますが、どう経由地をいれても、分断部分をつないでくれず、走行距離500Kmオーバーの算定。さすがにそこまでは走らないと思うけど・・・。日暮れも早いので早朝出発です。購入したヘッドライトを付けて撮影するとこんなに明るく撮れるんだ。5時前にスタートです。 日の出も6時近くになってる時期。街はまだ寝てます。連なる青信号が若い星団のよう。 R1号を東進。東三河、天竜方面を目指します。 茅野市まで上がれば確実に給油できます。そこで入れれば、八ヶ岳をぐるっと回っても十分キャンプ場に着けます。でも、南アルプスを縦断する行程。GSはないだろうし、先日、日の出モーニングツーリングをした時の燃費が激悪。リッター11キロ台。なにか悪いところでもある?こんなコンディションで山間部に入りたくないです。 なのでガソリンは満タンにしてあったけど、念のため燃費を確認するために20キロちょっと走って、早々に給油してみました。ここでさらに満タンにしておけば、生存率はあがります。 燃費はだいたいいつもどおりの20前後。OK、問題はなさそう。ということで気を取り直して、東三河のトイレスポット道の駅鳳来三河三石へ向かいます。 いつもの県道で新城経由長篠入り。道の駅手前のR257は気持ちのいいコーナーが続きます。フロントタイヤも偏摩耗気味。リアも荷物を載せているので、なんかリズム狂うけどやっぱり気持ちいいのです。 それなのに、土曜日早朝にもかかわらず、ダンプカーが多いこと、多いこと。このダンプは天竜エリアまで出現しました。どこかで大型工事してるのかな。6時半に道の駅に到着です。 トイレだけ済ませて先を急ぎます。 県道をつないで天竜へ向かいます。この辺で4月に遭難。嫌な記憶がよみがえりますが、電圧計はOK。換えたクラッチも問題なし。まったく変わらない重さと振動。まだまだ換えなくてもよかったのかも・・・。 天竜に出てR152号に合流。ここから北上していきます。天竜川遡上開始。この辺は寸又峡なんかに向かうときにも来るエリアですが、純粋に北上したことはありません。 兵越峠手前の街、水窪を目指します。 左手の天竜川、とっても水量が多いです。ダムっぽい。水上にかかる幾連のアーチ橋。長い橋です。 R152号をトレースさせるために登録した道の駅なんですが、気温も12℃から14℃くらいで、尿意がハンパない。道の駅天竜相津花桃の里に滑り込みました。 喉は渇かないのでここでもトイレだけ。 ここに案内板があって「夢のかけ橋」と。案内の地図を見るとさっきのアーチ橋っぽい。行くか、行かないか・・・。先は長いかもなので今回はパス。 寸又峡にも夢の吊り橋。静岡県には夢の橋が多数。 遡上再開。 雲ひとつない快晴!まさに秋晴れ。最高のごちそうです。 眼前いっぱいの山塊。多分南アルプス?だんだん山深くなってくるけど、次々に現れるダンプカー。狭路区間までお付き合いされるのは勘弁。 ぱっと周りが開けて水窪エリアに到着しました。この先は青崩峠。ここが自動車圏としてはいったん北限でしょうか。ダンプカーもこの辺で見えなくなりました。峠までお付き合いはしなくて済みそうです。 電車が水窪駅を出たようで、北上していきました。飯田線と思われます。 ネットで調べたら、青崩峠ギリギリまでクルマで行ってみてるサイトがありましたが、なかなかの荒れ具合でした。荷物満載のロードバイクではやめておきます。 走行していると右に「青崩峠」の看板。R152号の本来の端点はそっち? 自分は林道目指して北上します。 お、それっぽくなってきました。 林道だけど舗装されていて、広くはないけどヘアピンとか少ないし、バイクなら問題なし。 それこそ数年前、この分断国道を縦断するYAMAHAの公式ツーレポかなにかを見ました。女性ライダーがレポーターだったので、そんな悲惨なルートではないだろうな、と思いましたが、その通り。ただ、秋なので落ち葉は多めです。これからはもっと増えると思います。 木々の向こうに、山々の尾根が見え隠れ。真横に山頂が見え隠れするなんて、雄大な気もするし、その高さに心細くなる気も。 ナビのGPS高度計は1000mオーバー。高いわけです。 兵越峠が迫ります。 ナビでどうしてもつなげてくれないのが、この峠とその先。ナビ情報でも別に通行止めのマークは出てませんでした。道として認識してないとか? どんな具合なんだろう・・・。不安になります。 そうこうしているうちに、ナビ的兵越峠に到着、というか通過。見落としたかもだけど、兵越峠、とかいう看板はなかったような。その代わり飯田市の看板と青崩峠への看板。なんかたくさん看板が立ってました。 ここから下りに。 ナビが案内しないなんて、大丈夫かな、と心配したけど崩落とかしてなくて、普通に走れました。ナビの高度計もゆっくり、ゆっくり降下していきます。 R152との合流はどんな感じ? あまり明確な看板とか見かけなかったけど、やたら案内看板の多いカーブが。ここが合流点?バイクから降りて看板の確認とかすればいいかもだけど、走り出すと降りるのが億劫で、億劫で。 多分ここ。日本のトンネル技術敗退の現場です。 しばらく工事区間が続いて、嘘のような快走路に。道端にもR152号の標識が再び。 ここで道の駅が登場。 ちょっと狭路で疲れたので、身体を休めるために寄ります。 広い駐車場。だーれもいない。貸し切りです。奥のきれいな山が抜けてきた山? 道の駅遠山郷。目の前の山塊。 こういう光景をみると、いつぞやのツーリング先で見かけた光景を思い出します。こんな光景の駐車場に停めたクルマから降りてきた、家族ドライブについて来たっぽい女子高生くらいの女の子のひと声、 「やま近っ!」 相模原ナンバーだったかな。俺もそう思う。 休憩終わり。ひとつ目のヒョー越林道をクリア。次の蛇洞林道を目指します。 家で調べていた蛇洞林道。実は走ったことがあって、しらびそ高原から飯田に降りてくるときに一部走る区間でした。その道はVTRをレッカーしてもらって降りてきた道。そんな道だからひどくない印象です。 懐かしのしらびそ高原を目指します。 R152号を北上していくと、下栗の里、しらびそ高原といった懐かしい文字が案内、看板に出始めます。最近行ってない。 ツインのVTRのときは、航続距離、乗り心地の悪さから、この辺が日帰りのリミットでした。マルチは快適、快適。しらびそ高原の案内。イコール蛇洞林道方面。そっちに向かいます。 一瞬嫌な看板を目撃。全面通行止め?この先?ちらっとしらびそへは行けます、の文字。〇〇へはいけません、と書いてあったけど、土地勘がなくどこのことかよくわからない。 速度も出ていたのでそのまま通過してみました。 (これが間違いだった・・・。) 蛇洞林道を行きます。見覚えのあるルート。なんだ、全然快走じゃないか、通行止めってのは、何か所か行先のある分岐のうち、ひとつがダメってことだろう。自分が行きたい方面は、しらびそみたいに行けるに違いない。 そんな都合よく考えてたけど、甘かったー! こんな縦走ルート、そんなに行先があるわけナッシン。純粋に通行止めでした。あー、ナビがどうしても繋げてくれなかった兵越峠をパスしたら、狭路だろうが道なりで行けば茅野まで行けると思って、ナビを設定していなかったのが仇となったか。ナビに入れていたら通行止めマークが出てくれていたかもです。 とりあえず停車。 案内には「大鹿村方面には当面の間通り抜けできません」の無情なコメント。 右に行けばしらびそ高原。 風光明媚、ハイランドしらびそはオシャレ。久しぶりに見てみたいけど、先も長いし。てか、行っても下栗を抜けて、またR152に出るだけ。北上できません。引き返すしか選択肢がないです。 ここでUターン。R152が進めないなら隣のR153に出ないといけない。うーん・・・、微妙にロス。八ヶ岳ぐるっと周遊は難しいかなー。 それにしてもしらびそ高原はVTRでパンク遭難したことを思い出します。2014年。もう8年前。 超がっかり。先のこともあるので、急いで下っていきます。 R152号へ戻ってきて、路肩に停車。ナビで変更した行先を入力。 よし、再スタート。コーナーに入って、リアブレーキ・・・、 ちょっと何言ってるか分からない。 けど、一瞬そう思った。 なぜって、右足首が曲がるはずのない角度まで曲がったから。なんどやっても曲がる。ほんと、救急車呼ぶの!とか焦った。でも痛みはないし・・・。てか、減速しねー!リア沈まねぇ! あれだ、足首の関節が外れたんじゃなくて、ブレーキペダルが異常に踏めるんだ! 何度踏んでもフニャフニャ。芯を感じられず、マジふにゃチン。 路肩に緊急停車。 ブレーキペダルを押してみる。フニャフニャ。 ・・・。 踏んでも踏んでも芯がない。リアブレーキ効かない。 終了。マジ終了。 こんなブレーキでワインディングロードを行くのか、ムリー!いや、帰宅するのも怖いぞ。高速近いから、高速で帰ろうか・・・。 いやいや、ほんと日頃の行いが悪いというか。電装系の次はブレーキか。 途方に暮れる。 液漏れとかしてるのかなー、してなさそう。フルードレベルも正常。ペダルをスコスコ。エア漏れもエアを吸い込むような音もしません。 ピストン、動いてるかなー。 のぞき込むとき何気に触れたディスクローターが、 あれか?ベイパーロックとか??ディスクローターがこれくらい熱くなるのはあります。 念のため、引きずりとか起きてないかマシンを押してみるけど、特に重くもなく。 さっき、ナビで検討中、マシンに乗ったまま、念のためリアブレーキをずーっと踏んでいたので、ローターの熱がパッド、ピストン経由でフルードに伝わったからかも。 ベイパーロックだとして、冷えれば元に戻るもんなのかー・・・。 どうしたもんかと考えていると、対向車線に軽トラが停車。 (お、なんだ?トラブルを心配してくれてる優しい人か?) 窓から顔を出したのは80歳くらいのおじいさん。メットを被ってるのもあるけど、何言ってるか分からない。 「に?か?どっち?」 とか繰り返してる。 何度か聞いていると、どこかの場所を探してるらしい。この辺は初めてだからー、とのこと。 人間の脳は言葉を想定して聞いてるんだな、と再認識。予想しない言葉は脳が反応しない。てっきり自分は、 「転んだ?怪我でもしたか?」 とかいう問いかけを想定。それが自分も聞いたことが無い地名を投げかけられ、勝手に心配してくれてると思い込んでいたら、その実、おじいさんは迷子の自分を心配しての必死の会話。もうベクトル180度反対。伝わらないわけだ。 「すんません、自分もこの辺のひとじゃないので。とりあえずそっちは通行止めでしたよ。」 そんな会話で別れました。 ふぅ・・・。 さて、自分も半分迷子の身。どうしたもんか。 試しにペダルを押してみると、お?少し硬くなった??ふにゃチンの奥に芯が! 我は行く。決定。 ベイパーロックだったんでしょう。冷ましながら行きます、 こんなときに、前を楽しそうに流すバイク。 ・・・。 あぁ・・・、アクセルを開けていってしまう性。リアは?8割がた復調。だんだんペースを上げていきます。車間は保ちつつ、あまりプレッシャーを与えず、ブレーキングしまくりにならない程度に。 ここでベイパーロックとか起きたら・・・。考えると怖い、怖い。 DOT5とかの存在意義。 前を行くバイクは広いルートへ。 自分は、こんなルートへ。相変わらず辺鄙なところを案内してくれるナビ。自分の設定する志向とか学習するのかな。まあ、確かに嫌いじゃない。 山間を抜けて盆地みたいなところに出ました。 松川あたりかな?あまり土地勘はないエリアだけど、この風景、高遠城址の桜を見に来た時のイメージっぽい。 200キロちょっと走って、まだ伊那の手前。目指すは茅野。R153を北上は味気ないので、もう一度R152へスライドします。今のR153経由は完全予定外。茅野まではガソリンが心細いので出てきたセルフで給油しました。 奥に見える山々は駒ケ根辺り? 職場の隣の席の子が、大学の同期と今日、駒ケ根、伊那の辺りでキャンプするって言ってました。彼らもそろそろ向かってる頃なんだろうなー。リア充。コミュ障のボッチな自分はソロ。 バイクも満タン。 自分もおなかが空いたので出てきた道の駅に入りました。道の駅田切の里です。 レストランに向かうと開店は11時から。11時前だけど中にお客さんは居そう。やってる。食券機は見覚えアリ。価格設定はひと声高めで何を食べようか迷うけど、カレーにしてみました。 待ってる間、外を見て昔の記憶がよみがえります。そうだ、CBかなんかに乗ってたソロ女性ライダーを見かけたのはここだったような? お、カレーが運ばれてきました。 いただきます。 うー、なかなかのボリュームでした。でも今日はテントのなかで寂しく過ごします。空腹はさらにみじめになるので、お腹に詰め込むのは大事。 じゃあ、食後の脱脂。あ、この雑なラッピング自販機は完全に見覚えアリ。やっぱ寄ったことがある道の駅です。それにしてもほとんどホットコーヒーに入れ替わってました。 冷たいのはこれだけ。ま、食後の液状デザート。たまには甘いコーヒーもいいもんです。休憩室で座りながらいただきます。 で、室内の展示があれっぽい。戦時期の発行物。なんでこの道の駅に。なにか大戦中にこの辺であったかな?それか道端にもたくさんあったけど、ロシアの侵攻に反対する看板。その反戦企画の類でしょうか。 12月9日、開戦翌日の新聞かぁ。今のご時世、まさにロシアの暴挙を目の当たりにしてますが、この新聞は当事者の日本のもの。当時の国民はこんなのを、なんの疑問ももたず、本当に日の丸振って、旦那、息子たちを戦地に送ってたんだろうか。 今でこそ戦争の実態もネットでさらされる時代ですが、昔はこういう一方的な情報を信じるしかなかったんだよなぁ。むごい戦争の是非は問うまでもなく、でもそれとは別に、この艦船、かっこいいなぁ。 2連砲塔は重巡っぽい。洗練された艦橋のシルエットは利根型っぽい。 食べた、食べた。 お土産コーナーで栗あんパンを発見。2つ購入。明日の朝食にします。これでコンビニに寄らなくて済みます。 コンビニに寄る時間もケチり始めたのは、もう時間がないから。3時過ぎにはキャンプ場に入るとすると先を急ぎたい。 急ぎたいのに工事渋滞、ガッデムー! 野辺山、清里方面はしらびその行き止まり、ふにゃチン回復待ちで諦めました。 麦草峠に行ってUターンくらいはしたかったけど、この渋滞でさらに微妙に。高所なので1時くらいには着きたかったのです。 ナビで見ると麦草峠は2時前。こ、今回は見送りに。 かといって、このままキャンプ場に直行だと少し早すぎ。どこかで調整するにして、まずは先を急ぎます。伊那からR152へスライドです。 桜の名所、高遠城址。1回家族で来たけど大渋滞でした。にしても、高遠ってこんなに遠かったっけ? 武田と信長の激戦の地。寡兵の武田側は籠城し全員討ち死に、なんて読んだ気が・・・。 R152の後半クネクネパート、杖突峠を抜けて、やっと茅野市へ到着しました。 この時点で予定のメルヘン街道、麦草峠行きは断念。宿をとってるんだったら行ってます。今回はキャンプ。そうは言っても八ヶ岳の雰囲気は味わいたい、ってことで原村近辺へ向かいました。 その2に続く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.09.17 00:47:11
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