五輪メダルにはお金が必要?
平昌オリンピックで活躍が目立ったのはスピードスケートでした。前回のメダルゼロから今回は金メダルを含め6個のメダルを獲得しました。これは個人の努力があったのは勿論ですが、スケート連盟がスピードスケートをナショナルチーム体制にし努力できる環境が整ったことも大きいと思います。スピードスケートの強化費はフィギュアの2倍以上になります。これだけお金をかけることができたのはスケート連盟の収入が増えたためで、その一因は羽生選手の人気による放映料やフィギュアの試合、ショーでの収入があります。一人のスター選手の存在がその競技全体の底上げに繋がるのです。そのためスケート連盟は次のスター選手として宇野選手の支援に力を入れています。ナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設のスケートリンクをホームリンクとし十分な練習時間が確保できる等、彼もまた努力できる環境が整っています。今回メダルに届かなかったフィギュア女子の坂本選手等とは雲泥の差の環境ではないかと思います。今はフィギュア人気がスケート連盟の収入源になっていますが、清水宏保さんが活躍された頃はむしろスピードスケートで得た強化費をフィギュアにも使ってフィギュア選手を育てたという過去もあるのでスケート界は支えあって強くなってきのだと思います。もしスピードスケートの選手がもっと早く練習環境が整っていたらソチでも結果が出たかも知れないと今回の結果で感じました。羽生選手は経済的理由で2度スケートをやめなければならないかと悩んだことがあります。練習環境が整わない中で彼の場合は実力が認められてIOCの奨学金を借りることができカナダに渡ったことがソチでの金メダルに繋がりました。一部の人は選手育成に税金を使っているという意識があるようですが、ほとんどの選手は親や(ごく一部の人は)スポンサー等に支えられて競技を続けています。ロシアのように子供のころから国が育ててくれるわけではありません。東京オリンピックではスタジアムやエンブレムの問題等で莫大な税金を無駄にしています。その一部でも選手の努力ができる環境づくりに使われたらどんなに良かったことかと残念です。極寒としても記憶に残った平昌五輪の次の東京五輪は極暑になりそうですが、今回のスキージャンプやフィギュアスケートのようなことが無いようにアスリートファーストでお願いしたいものです。