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カテゴリ:読書
「愛のあとにくるもの」
孔枝泳 出版社:幻冬舎 一度壊れた愛は、やり直すことができるか――。作家の辻仁成と韓国の孔枝泳(コンジヨン)の両氏が、男女それぞれの視点から一つの恋愛を描いた小説『愛のあとにくるもの』(幻冬舎)を出版した。 出版社に勤める韓国人で29歳の崔紅(チェホン)は、ソウルを訪れる日本の作家の通訳を頼まれた。現れた男性は、紅が日本に留学した時に恋に落ち、7年前に別れた潤吾だった。 ========================================================================== いや~、とても良かったです。以前、潤吾の視点から描いた辻仁成の「愛のあとにくるもの」では、7年ぶりに再会した紅は、口数がもともと少なく小説を書くことでしか気持ちを表現できない潤吾以上に言葉がなく、何を考えているのかがよく分からない状況だったんだけど、本作品は紅の視点から描かれているため、彼女の苦悩と言葉が少ない理由がよく分かるくらい紅の想いが描かれた作品。 交際期間の潤吾は生活していくのに必死だった。ただ、必死なのは潤吾だけではなく、紅も同じで。異国で生きていくという辛さと苦悩。日韓に生まれた過去の亀裂。潤吾には明かせなかった真実が描かれています。やはり若さゆえの気持ちのすれ違いってあるんだと思います。二人の気持ちの問題ではなく、年齢という問題。タイミングの大切さ。 昔、ある女性に『失恋に男女どっちかが悪いということはない』と言われたことがあったけど、本当そうなんだなって思いました。 是非、本作品映画化してほしいな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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