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カテゴリ:のりの日記
ママが帰ってきたからこう言ったの。
「あのね...お皿割っちゃった...」 そしたらママは「いいよ、お皿ぐらい」と言いながらあたしが割ってしまったお皿に目をやる。それからアハハッと笑い「それにしても見事に割ったねぇ」とニコニコしている。 だからあたしは「あのね、ママが作った茄子とみょうがと卵の炒め物を食べようとして、片手にお皿、もう片手で電子レンジを開けようとしたら、そしたらエイッって開けようとした時に、エイッてお皿をおっことしちゃって、分かる?」 ママはニコニコしながら言う「分かるよ。でもたまには誰かがお皿を割らなくちゃねぇ。でないと陶器屋さんが困るでしょ。作っても売れなくっちゃ困る。だからいいんだよ」 あたしが子供に対する接し方や言葉、諭し方とママのそれはあまりにも似てる事に気づいた。もしあたしの娘がお皿を割ったらきっとあたしも似たような言葉で諭し叱らない。実際あたしはそうやって娘を4歳まで育てていた。娘も絵を描いて金賞を受賞していたり、いろいろ、言葉使いも人に対する接し方もそっくり。親子は似るもんなんだね。自分の子がいくつになっても子供扱いするもんだね。 あたしはやっとパパとママの娘になれたね。あたしの姉と弟がいた事がやはり間違いだったんだ。やっと一人娘になれて、だから最近あたしの心に平安が訪れた。神様だってミスを犯すんだね。 あたしはあたしなりの方法で自分の人生を軌道修正した。あたしは殺した、姉と弟の存在を。そしてやっと一人娘になれた。邪魔な存在だったから殺した。あの二人は最初から居なかったの。あたしは一人娘なの、始めから。 今ではいつも「きょうだいは?」という陳腐過ぎる馬鹿げた質問を受けるたびににこやかに微笑んで当たり前のように「一人娘よ。しかもうちの両親はあたしにかなり過保護なの」と答えている。 あたしは一生このまま、大人になんかならない。ずっとずっとママとパパの子供のままでいる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.31 21:24:02
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