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raison d'etre (存在価値)

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2006年01月11日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
今日はちょっと自分の事を突き詰めて考えてみました。
ほとんど自己満足で書いている文章ですが、ある意味で決意文でもあります。
今日はこれから自分がどう生きていくことになるのか、
久しぶりに、何年ぶりに、まともに頭を働かせて考えました。
その結果を載せることにします。

父は公務員です。消防士として立派に勤めを果たしています。本当はやりたかったことがあったらしいのですが、消防士になったからには消防士として、任務を全うしています。その姿には小さな頃から憧れを持っていました。私生活では多少だらしなさがあるものの、それを差し引いても、やはり人のためになる仕事と言うものにはずっと関心がありました。しかし、そんな父が自分の進学するにつれて口にするようになったのが、「公務員だからお金が…」という言葉でした。小さい頃はその意味がわからなかったものの、自分が就職するような年になってくると、その言葉の意味がわかってきました。公務員は、給料が安い。いつしか、それが自分の公務員に対してのイメージになっていきました。そして、いつからか、「絶対に公務員にはならない。俺は子供には金がないから…という言い訳はしたくない」と強く思うようになったのです。それからというもの、ある意味で公務員アレルギーと言えるほどに、公務員と言う職種に対して抵抗を感じていたように思います。国連職員を目指そうかと思ったときにも、給料が安いのだけは…とどこかで感じ、いつしかそれを投げてしまったよううに思います。
しかし、このところ、たくさんの助けを経て、ようやく自分の今の姿、つまり今までの失敗も成功も全て含めて形成されてきた自分自身に、ようやく向き合う勇気が持てるようになってきたのです。公務員にはなりたくないと思う一方で、やはり誰かの役に立てる人間でありたいと言う思いはずっと失われることはなく、むしろ抑えてきた時間の中でより強く思うようになっていたのです。やはり自分は人のために何かをしたい。その気持ちだけは、嘘偽りなく自分の心の中に存在していると、確信するようになったのです。受験の失敗で入った大学やその後進学した日本最高峰の大学院での日本のアカデミックの現場の現状や、保守的な周りの常識に流されそうになり、どこかで自分にも、日本にも、そして世界にも失望しながらも、それでも捨てる事ができなかったのは、やはり自分ができることが誰かの役に立つのなら、それはどんなことであっても自分にとっては真実だという想いでした。あまりにも未知すぎる世界に飛び込んで行く事への恐怖は全く隠すことができませんが、それでも自分は踏み出したいと思ったのです。それが本当に自分の中にいる自分自身と向き合うことだったのです。いつか出口氏の本で読んだあの文章が、今でも自分の中で非常に大きな割合を占めています。それは誰になんと言われても変わる事はないであろう、自分の信念だからでしょう。きっと一生涯変わる事はないんだろうと思っています。改めて、今日から自分は一歩でも前に歩き出そうと決めました。迷ったり立ち止まったり絶望するときには、20世紀少年にあった、この言葉を思い出すことにします。「絶望に打ち勝つ方法などない。…ただ…歩き出すだけだ。」と。

自分はきっとまたどんどん変わっていくでしょう。
しかし、今日得たこの言葉は、変わる事はない。
自分がどうこの言葉を持ち続けていくのか、これからが楽しみでもある、スタートです。


最後に、もう一度出口氏の言葉を残しておきます。

あなたが、居間でテレビを見ていたとする。画面にはどこかの国の戦争が映し出され、両親を殺された幼い子供が、親の死体にすがって泣いている。
可哀相に。
誰もがそう思うだろう。
だが、はたしてそれが同情であり得るのか。それが同情になるにはいったい何が必要なのか。
同情とは、相手と同じ感情を自分の中に抱く好意を指すと、先に述べた。
親を亡くした子供と同じ感情を持つことが、はたして私達には可能であろうか。その子供は、まだ幼いのに、これからたった独りで生きていかなければならないのである。
その日の寝るところ、食べるものもないかもしれない。しかも、子供というのは独力で困難な状況を克服することができない。そのときの子供の心には、悲しみや絶望以前に、言葉にならないほどの恐怖が渦巻いているのではないだろうか。
そのうえ、子供は大人以上にむき出しの繊細な神経を持っている。そうした子供の感情と、もし私たちが同じ感情を抱くことができるのなら、それは素晴らしいことではないか。そのためには、強力な想像力がいる。
もちろん、まったく同じ感情を抱くことなど不可能で、要は程度の問題である。違った環境に置かれた私達が、ほんの少しでもこの子供と同じ感情を抱くのならば、居ても立っても居られなくなるはずである。
それでも、私達は何もできないというジレンマに立たされるであろう。でも、こういった想像力を身につけている人間は、必ず人生のどこかで何かをするだろうし、少なくともその人の中には弱いものに対する優しさが芽生えるはずである。

『きのうと違う自分になりたい』より





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最終更新日  2006年01月11日 21時41分27秒
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