戦場のピアニスト
今までの戦争映画とは違って、戦争事態をデフォルメするというよりも、戦争の中を生き抜いた主人公の視線で戦争を描いていて、心情が直に伝わってきた。目の前にあるピアノ。触れられるのに触れてはいけない、弾きたくても弾けない。でも目を閉じてこころで演奏する主人公の姿。ラストの方で、屋根裏に潜んで生き延びていた主人公がドイツ兵に見つかる。ピアノを弾くようにいわれて静かに弾きはじめるシーン。最初はゆっくり、感覚を取り戻すように、次第にだんだん激しく。今まで弾けなかった時間を埋めるように、全身でピアノを弾いている姿。戦争映画だから卑劣なシーンとか、恐怖を感じるシーンがあるのは当然だけど、この映画はそれを強調しているわけではなくって主人公がとらえた視線からながめている感じ。。うーん、なんとも表現しづらいけど・・・。一言に感動とはいいがたい、悲しみ、孤独感、罪責感。戦争が人の心に及ぼす重大さに改めて気づいたような気がしました。。ピアノを代役なしで弾いたエイドリアンの演技力に脱帽・・・!です。。だって。エンドロールで立ちだしたお客さんは一人もいなかった。みんなピアノの演奏シーンに釘付けになって終わるまで静かに鑑賞していたのはすごいことです。