ほぼ週刊☆東雲色Surf舟便

　全力！全開！のウィークディ。勤務中は趣味の話題を振られても、返答に数秒を要するくらい、頭の中が仕事Modeになっている。そうでもしなければ、独りショムニ状態に対応なぞできなのだ。今週も、そんな、こんなのヘロヘロとした金曜日の晩で幕を閉じた。『さぁ！週末だぁ。』と、いつもならば漕ぐ気満々で帰宅するのだが、なんと！今週も家事任務が目白押しなのであった。まったくもって気合の入らない週末である。飲酒でもしてやろうと、帰りがけに安売り酒屋にて購入した芋焼酎『黒霧島』にさえも手をつけずに、ガキを風呂にいれ、トットと寝床へ…。そんなチンピラ親父の心中を察したか、水神様は愚妻の口から思わぬ言葉を飛び出させてくれた。「ちょっと予定が立て込んでしまったので、明日の午前中は漕いできてもいいですよぉ～。でも、午後は、宜しくお願いしますね。」これに対し、一応「あっそうぉ。わかった。」と平然と言ってみたものの、内心は『なにぃー？！マジですかぁー？！』と、小躍りしつつ就寝するチンピラ親父だった。

　起床は6時半。天気予報を確認するも、少々風が強めだが、穏やかな日に思えた。『よし！漕げる時にガッツリ！漕ぐぞっ！』もはや思いは20km漕ぎであった。舟を積み、いつもの弥生橋対岸へ。着替え、準備運動の後2週間ぶりの水面へ…。『はや？』2週間ぶりだというのに、いつもならばチョィ・グラグラ感があったりするのに、どうしたことか今日は全く感じないのだ。『うぅ～ん。やっぱ距離を漕ぐ事は効くなぁ…。』かなり気を良くしてバス！バス！と漕ぎ下る。5分くらい経った時、一瞬PFD越しに追い風を感じた。明らかに先々週よりも強い風である。『ん？』と思ったものの、『今日は休憩をキッチリとって漕ごう。』などと、漕ぐ気バリ！バリ！状態であった。

　6km下った。流石に強風を、しっかりと背中に感じるようになった。風波も時折、ボッコリと掘れて立つようになってきた。『ここらで引き返すかなぁ…。もう少し行けそうだなぁ…。』帰路が、先々週よりもキツクなると想定し、現状の余力を見計らいつつ更に漕ぎ下った。1時間が経った。湾曲した岸を見つけ、風を避けて休憩をとる。共和橋が見える。ここまでの距離は8kmくらいだろうか。今日の潮回りは小潮、今の時間帯は、計測地との時差を考慮しても下がっているはず、これに折からの強い追い風。ペース的には、かなりユックリとしたものだ。実際、余力は、しっかりと残っている感じだ。『よし！共和橋まで漕いで、感触によっては、その先の”つくばExp鉄橋”まで漕ぐぞ。』風は弱まる気配が無かった。

　漕ぎ出してすぐに掘れた風波が立ってきた。先々週も、同じ処で同様の波が立っていた。『ふぅ～ん。ここは風波エリアなんだなぁ。』調子込んで波頭を叩いていたら、護岸に押し付けられそうだったので、早目に対岸へ。その際、風波を舟の横っ腹に受けつつ、帰りは先々週以上の気合が必要な事が解った。20分鉄橋に到着、ここでも湾曲した岸を見つけ風を避ける。葦に囲まれ、ポカポカと暖かい。『くぅ～！地獄の前の極楽って感じぃ～！』下ってきた状況を思い返しつつ、風の筋をイメージしながら、強風の直撃を受けにくい場所を選んで漕ぎ上がった。基本、岸ベタなのだが、川が曲っているので当然の如く右岸左岸の”渡り”をしなくてならない。このタイミングが結構ビビる。（笑）ヘタにPaddleを立てていると、風沈されそうなブローが、時折吹く中を対岸目指して漕ぐのだ。風は常に一定では無い。強弱を繰り返して吹いている。一瞬の隙を突いて、Paddleを立て、上体を捻って前漕ぎをする。舟がグン！グン！対岸に近づく、次の瞬間、風が強まり出す、すかさず身構え、Paddleを寝かせて漕ぎつつブローに耐える。まぁ、ひっくり返されたら起きればイイだけだし、水温の低さに最悪沈脱しても、海と違って陸が目の前にあるのだから、ビビる事もないのだけれど、やはり、ひっくり返りたくは無いので、ビビってしまうのだ。

　今回、風の筋をイメージしていて感じたのは、護岸からの反射風である。遮蔽物無い川は、風の通り道と言われる。その通り道にある護岸、これに、ぶち当たった風が反射して、吹いているような処が何箇所かあったのだ。何と無くなのだが、直接吹き付けられるよりも、強さが和らいでいるような感触だった。また、場所によっては、直撃を受ける護岸の直下岸際が風裏になっているようにも感じた。

　そんな、こんなで、思う存分20km漕ぎを愉しみ弥生橋対岸へ無事帰着、時計をみると出艇してから3時間半が経過していた。楚々と撤収、その際RoofTopの舟が強風で煽られるほど。久々、屋根に上り、舟を跨いで固定した。着替えを済ませ、暫しポカポカの車内でウトウト。それでも帰宅は12時半。午後の予定はキッチリと履行したのでありました。