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カテゴリ:陸上任務
隣町の中古ゲーム販売店へ、ガキと共にCyclingである。遊びと言えばゲームという固定観念を払拭するため、理由を問う事無く『体を動かす』事を強要するチンピラ親父なのだ。ここでも「車で行こうよぉ。」という要望は、秒殺でスルーとなる。「遠くないぃ?」と億劫がるガキに「近道知ってるからなっ!」などと自信満々に満面の笑みで応える。近道を知っている事と、遠くないという事になんの関連性も無い。もっと言えば、『遠く無い』とは一言も言っていないのである。しかし、近道という言葉に気を取られて、ガキは自転車で行く事を承諾する。なんとも詐欺まがいの会話だが、チンピラ親父はガキの運動量を増やすためには、手段を選びはしない。(笑) 片道4km少々の道のり。早生まれの小学4年生には、それなりにツーリングなのである。時折、信号を無視して突っ込んでくる車(田舎道ほど、この手の馬鹿が出没し易い。)に注意しつつ、目と耳で自分の安全を確保する事を教えながら共にペダルを踏んだ。帰路、ゲーム購入と言う目的も無くなり、疲れが気になりだす。頃合をみて、コンビニで一服。春を実感する陽気に、ガキだけでなく自分も喉を潤したくなった。ふと店内の清涼飲料コーナーの最下段に目を落とすと、懐かしい文字が書かれたペットボトルが…。 DoctorPepperとは、私が小学生の頃、まさに今、目の前にいるガキと同じくらいの頃に発売されたコーラの類である。当時、テレビコマーシャル放映から、商品が店頭に並ぶまでに時差があった時代。「隣町のパン屋にドクター・ペッパーが売ってるってよぉ!」の口コミで、徒党を組んで自転車のペダルを踏んだ事を思い出した。思わず買って飲んでみた。独特のクセのある香りが懐かしい。「何ぃ?それ。コーラ?」不思議そうに見上げるガキに、「飲んでみな。」と渡してみた。「うぇ!何、このコーラ…。へんな味ぃ!」そうそう、あの時も、美味い!と不味い!に仲間が分かれたっけ。 思わぬところで、自分のガキの頃の記憶が蘇った。「お父さん。全部飲まないのなら、僕がリュックにいれて行ってあげるよ。」ガキの声で、心の旅路(ボーっとする事である:苦笑)から我に返り、「おぅ!サンキュー。」とガキに手渡す。見れば、自転車でゲームを買いに行く事を億劫がっていたガキは、またしても木端微塵で「ケツが痛いんだよねぇ。」なんて言いつつ目を輝かせている。「ケツが痛けりゃ、立ってこげばイイぢゃんよぉ!」「えぇぇ!立ったままぁ~?!」言葉と裏腹に、声が弾んでいた。辺りには沈丁花の香りが漂い、いよいよ春が始まる感じがした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.03.04 17:57:32
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