ほぼ週刊☆東雲色Surf舟便

　自分を大切にできるからこそ、他人を思いやる事ができるのである。自分を大切にする事と、自分を甘やかす事は、時に混同されるようだが、それは自分が何たるかを真剣に自問していない証拠である。自分が何者なのかを知る事は容易ではないが、知ろうと努力する事で、似て非なる境界が見えてくるのだ。

　食卓に置かれた熱い味噌汁。上っ面をフゥフゥ吹いて、すすっても、本当の味は解らない。まずは、シッカリと椀を手に持ち、箸を突っ込んで優しく掻き回して、注意深く、すするのだ。何気ない仕草にも、実は意味があったりもする。どうも最近、上辺だけで全てを知った気になっている輩が目に付く。数が少なければ、自分の襟元を正す良い機会と思えるが、こう数が多いと気が滅入る。

　…と、まぁ、もっともらしく言葉を連ねてみたものの、全ては鏡の世界。一番甘ったれているのは、自分という事なのだろう。今一度反省し、また明日だ。