第二次エジプト滞在紀

日本との時差が７時間から６時間に縮まった。
実は先週の金曜からなっていたらしい。
私が知ったのはなんと月曜日。
それまで外出もせず、人と連絡もとっていなかったので、
全く知らないまますごしてしまった。
テレビもラジオもつけなかった。

月曜はシャンムンナスィームという祝日だった。
春香祭と訳されている日で、みんな外に出て花の香を嗅ぎ、
塩漬けの魚を食べることになっている。
ファラオの時代からのお祭りだそうで、イスラームは関係ない。

ノラちゃんがそれに招待してくれたのだが、
毎日の不規則な生活が祟って遅れてしまった。
平謝りに謝りつつ、お魚をご馳走になった。
ふと掛時計を見ると、どうも一時間進んでいる。
まあエジプトの時計だからなと特に気にしなかった。

食事を終えてノラちゃんの部屋に行くとやはり時計が進んでいる。
それも二つとも。
そこでようやく気づいたのだった。
そろそろサマータイムだと思っていたものの、
時計を見ても何にも結びつかなかった。
一体どれだけ待たせてしまったのだろう…。
そういえばここ最近、夜明けのアザーンがやけに早かったっけ。

去年、サマータイムになったことを知らず、一日過ごしてしまった
ある日本人を笑ったものだったが、とんでもなかった。
というか、私はサマータイムになる前日に人と会っていた。
なんで教えてくれなかったのかと恨んでいる。

ところでサマータイムになろうとなんだろうと、
私の体内時計は変わらない。
すっかり夜更かしに慣れてしまったのに、
さらに一時間も進んでいるのは困る。

ところで去年、カイロ大の先生がシャンムンナスィーム当日は絶対に晴れ、
その後から必ず暑くなる。夏の始まりだと言っていた。
農業国家ファラオ時代からの祭りというのは頷ける。
何しろ今年のシャンムンナスィームは去年より2週間程遅いのだ。
確かにこの2週間、殆ど暑くならず、春の陽気そのものだった。

今日からいよいよ夏っぽくなった。
日差しの色が明らかに変わったのだ。
そして暑さでエジプト人もイライラしだした。
そろそろ故障車も増えることだろう。

今日はこどもの日。一人こいのぼりを口ずさんだ。