第二次エジプト滞在紀

昨日（5日）外出先から家に帰ってみると、
水が全く出なくなっていた。
断水・停電はよくあることで、まあ一晩寝ればとタカをくくっていた。

昨日は昼から出かけてしまい、（ついでに無駄足だった）
猛暑であることと、食欲が最近なく体力が落ちていることも重なって、
すごおく疲れてしまった。
帰ってからお腹も空いていたが、水も出ないので結局何も食べず寝てしまった。
因みに昨日はレストランでスパゲティを食べたのだが、
半分以上残して終了だった。

朝起きてみると（1時過ぎてたけど）、まだ水は出ていない。
お腹も空いているが、なにより喉がカラカラ。
冷蔵庫には煮出したジャスミン茶ボトル半分とお土産でもらってきた
ダイエットペプシ（嫌い）。冷凍庫には200mlほどしか残っていない水。
やばい…。

エジプトでは断水が日本よりは頻繁に起こるので、
みんなボトルなどに水を貯めて備えている。
大使館で配られている生活の手引きにも、
貯めておくようにとのアドバイスがある。
我が家にはどう捨てるか困るほどの空きボトルがあるが、
これまで一度も水など貯めたことがない。
取って置いても使わず腐ったら、、
冷蔵庫に入れておくにも間違って飲み水で飲んでしまったら、、
等とつい考えてしまい、結局まあなんとかなるさに落ち着く。
どうせ考えるなら「もし断水したら」を考えるべきだった。

仕方ないので大家のおばあちゃんに電話した。
おばあちゃんも知らなかったらしいのだが、
政府が止めたと今日聞いたようだ。
外出先で会った別の地域の人も、断水してると言ったらしい。
あと二時間したら再開するらしいとのこと。

ところが何時間たっても一滴すら水は出ない。
お腹が空いたけど、料理ってなにするにも水が要る事が今日わかった。
お手軽なインスタントラーメンすら食べられない。
唯一のフライパンは前日使ってからまだ洗っていなかった。
デリバリー王国のエジプトだが、所持金は17ポンド！
昨日出かけたついでに財布の細かいドルを両替しようと思っていたが、
なんと5分違いで銀行は全て閉まったため、ポンドが手に入らなかった。

結局だましだまし時間を過ごし、
日が暮れたのを見計らって（午後八時！）
せめて水を買いに行こうと決心。
出かける直前にまだお餅が残っていたのを思い出した。
助かった！！！トースターさえあれば水がいらない！
4個あったが、念のため1つ残しておいた。
なんとか物を口に入れ、いざ出発。

毎回拒否されるATMに試しにクレジットカードを入れてみた。
なんとなんと今回に限って、ちゃんと働いてくれたのだ。
お金が手に入ったので、水を使わなくても
ある程度お腹にたまるものを色々買っておいた。
もちろん水は箱買い！3ポンド余計にかかる配達も頼んだ。

帰ってみると、水はまだ来ない。
実は一番困るのはトイレ。
どうにもならないが、この窮状を母に訴えると、
「一人暮らしでよかったね」との返事。
そういえば…。これが1ヶ月前だったら大変だった。。

結局水は夜中の2時に来やがった。
ただただ疲れただけの無駄な一日になってしまった。
空腹の苦しみと、水のないことの恐怖を体感できたことは、
まあ、良い経験だったのかもしれないが。

大家さん、もしかしてあと二時間後ではなく、
2時に来ると言っていたのかと考える。
近い言葉だけど、語順が明らかに違うのだし、
あと二時間で来れば良いとの希望があっても
間違えるだろうか。
水がようやく来た今、どうでもいいが。

こんなに長い間人間にもっとも必要なライフラインを止めた
政府も政府だが、そんなエジプトをわかっていて
なんの対策もしない私も私。
このだらしなさが合ってるのかも。
なんて言っていないで教訓を引き出さねばね。

最近知った、昔から知りたかった単語。
だらしない＝ムスタハティラ(f.)