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この日記は令和3年1月9日(土)福井県内の北陸自動車道および国道8号線立ち往生に巻き込まれた石川県在住のドライバーの備忘録です。
※時間表示は10分単位は概算。1分単位はTwitter投稿日時から算出しています。 【1月9日(土)PM4:10 福井県敦賀市内某所】 北陸が大雪との報道を目にしたが敦賀市内の雪は小康状態 むしろ雪解けが進んでる気さえした。路面は見えている。これから石川県の自宅に帰る。 選択肢は2つ。国道8号か高速道路(E8北陸道)かだ。 国道8号は時間もかかり福井市内に信号が多くリスクが高い。スタックしてる車も多いとの情報もあった。 一方高速道路は当然通行料はかかるが、当時通行止規制もなく通れる。そう確実に通れることが優先。 答えは決まった。高速道路だ。 【同日 PM4:20 北陸道 敦賀IC】 躊躇わず高速IN。いつも比較的交通量の少ない北陸道だが、今日はやけに少なすぎる。 【同日 PM4:50 北陸道 今庄トンネル出口】 最初の異変を感じたのは今庄IC手前の今庄トンネル出口 パトカーが1台停まって警告表示を出している。「この先、大雪速度落とせ」 トンネルを出ると敦賀とは風景は一変していた。白銀の世界、そして圧雪路。 普段は逆だ、金沢側より山岳地の米原側の方が雪は多いのだが・・・北上するにつれ雪の激しさは増す。 【同日 PM5:00 北陸道 武生IC付近】 路面から白線が消えた。 外は暴風雪、自分が何処を走ってるのかさえ分からない。 ここはハイウェイラジオ受信可能区間だが着雪のせいか頗る音質が悪く、聴き取れない。 【同日 PM5:10 北陸道 北鯖江PA】 流石に恐怖を感じた。近くの北鯖江PAに避難する・・・が 駐車枠全てタイヤより高い雪で覆われていた。停められない。 「トイレに行っておきたいけど・・・仕方がない、この先の女形谷PAで再度止まろう」 この判断が不味かった。 この時、無理矢理でも停めてトイレ済ませて御飯も食べておくべきだったと後悔するのは後の話。 【同日 PM5:40 北陸道 福井北IC/JCT 手前1km】 悪魔の悪戯がついに始まった。 福井北IC手前は敦賀側から金沢側に向けて緩やかな登り勾配。 ここで大型トレーラーが走行車線で立ち往生していた。それを横目に通り過ぎたあたりで 渋滞が始まった 動かない 「仕方ない・・・『半妖の夜叉姫』でも見るか」 日テレ系列のFBC福井放送にナビのワンセグ機能をセットしてアニメを見る。 ちなみに、中の人はポニーテール女子が大好き。推しは殺生丸様の娘、せつなです! ・・・と、そんな話はどうでもいい。 車列はピクリとも動かない。パトカーが1台通り過ぎただけで時間だけが経過していく。 【同日 PM7:19】 NEXCO職員が来た。 「この先で事故多発しています。現在、福井北ICが使用できず中部縦貫道も通行止めです」 「丸岡ICまで行って下さい。そこで一般道へ出します。その先は状況が酷すぎます。ご協力お願いします」 マジか 悪い予感は当たってしまった。ちなみに女形谷PAは丸岡ICより約3km先にある。 状況が状況だ。最悪丸岡まで高速で行ければ大混雑で交通麻痺起こしている福井市内の国道は回避できる。 覚悟を決めてハンドルを握り前方車に追従する。 【同日 PM7:42 福井北IC/JCT付近】 本線上は地獄絵図だった。 立ち往生するトラック、雪山に突っ込んだ普通車、スリップしたのか180度回転して停まってる軽トラetc... とにかく酷すぎる。 それらの車を避けて右へ左へジグザグ走行して、九頭竜川橋梁を渡る。 丸岡ICまであと少し・・・そこで前方車のブレーキランプが点いて再び滞留。またも動かない・・・。 「きっと料金所で詰まっているんだな?」 しかし、そうではなかった。 ここから2日間の壮絶なサバイバルが幕を開けたのだ。 【同日 PM8:24 北陸道 福井県永平寺町松岡領家地内】 動かない。ピクリとも動かない。 あれ?これはひょっとしてヤバイやつ??? ( ノ゚Д゚) よし!持ち物を確認しよう!(車中をガサゴソ・・・) 1.高速乗る前に買ったパン、ペットボトル飲料、チョコレート菓子 2.毛布×2(キャラクター柄だけど) 3.モバイルバッテリー 4.スコップ 5.帰り間際に寄り道して買ってきたウスイホン ・・・・・最後のいらなくね?(要らない) とりあえず、今夜は最悪車中泊になっても乗り切れそうだ。この時点で半分諦めモードに入っていた。 助手席を倒し、ヘッドレストをとり簡易ベットを作る。足を伸ばせるだけで大分違う。 【同日 PM9:29 】 NHKラジオ第一にて「北陸自動車道で大規模立ち往生か?」との第一報が入る。 とにかく情報がない。 ガソリンはまだ半分ある。航続可能距離は350km。まだ大丈夫だ。食料も水もある。 一抹の不安と楽観論と諦めと…ゴチャゴチャな気持ちで夜をむかえる。 【同日 PM10:59】 周囲の車が次々とライトを消し始める。エンジンを切る車も多く見られた。 先程までは明るかったのが、暗闇が覆い始める。高速周囲は田園地帯、元々明かりが少ない場所。 周囲は不気味に大型車のエンジン音だけが響いていた。私もエンジンを切る。 雪は足首あたりまで積もっていた。もう、この雪から自走脱出は無理だ。 【1月10日(日)AM3:23 北陸自動車道(下り線) 福井県永平寺町松岡領家地内 】 ・・・・・寝れない。というより、眠気が来ない。 いくら毛布や防寒装備あっても寒い、寒すぎる。カチカチ凍えながら助手席に作った簡易ベッドで丸くなる。 そんなとき雪で埋もれた中央分離帯を乗り越えて何かが・・・来る? オレンジのベストを着込んだNEXCO中日本の担当者だ。ヘッドランプとザック背負った姿はまるで登山者。 どうやら救助本隊ではなく状況把握の先遣隊らしい。希望と同時に正直、落胆の気持ちもあった。 【同日 AM5:36】 NHKより電話取材がくる。 まず最初に言われたのが「体調問題ないか?寒くないか?こうすれば良いよ」というアドバイス。 その次に状況を教えて欲しいとの連絡。 同時にここで初めて「この先、丸岡IC出口で大型車が立ち往生してる」という事実を記者から教えられる。 メディアとは言え、誰かと話せるだけまだ気持ちが楽になる。 【同日 AM6:52】 夜が明けた。昨夜までの吹雪が嘘のように静かだ・・・空は晴れてる。晴れて・・・る? 放射冷却だ!そりゃ寒いわけだ。最悪すぎるだろ? この時点でニュースにて北陸道で1190台立ち往生という事実を知る。 【同日 AM8:31】 Twitterではプリキュア談義で湧いている。 そっか、今日はニチアサの日だ…ここ福井県なんだよ、見れない。 「いやぁ?流石にプリキュアまでには石川県は入れるっしょ?w」 昨夜の段階ではそんな冗談を言える余裕はあったが、もうそんな余裕はない。時間だけが過ぎていく。 【同日 AM10:16】 一気に空が晴れてきた。青空だ。同時に報道ヘリがこの頃から目立ち始める。 同時にこの晴れ目を狙ってか?周囲のドライバーがポツポツと丸岡IC方面へ歩きはじめる。食料調達だ。 しかし、現在地から丸岡ICまで単純に4km。しかも雪道だ、2時間後ボロボロになりながら戻ってきたドライバー 『行くも地獄、留まるも地獄』 【同日 AM11:29】 僅か1時間で天候は一変。また吹雪いてきた。 このように天候は目まぐるしく変わる。「晴れてるから大丈夫」とは言えなくなったあたり、更に絶望感が増す。 そして昼間なのに寒い・・・夜中より寒いんじゃないか? 流石にたまらずエンジン始動して暖房かける。同時にシガーソケットから給電してスマホ充電する。 【同日 正午】 NHKニュースにて陸上自衛隊金沢駐屯地から救援隊が来ることを知る。 チョコレート食べながら飲み物を・・・と、思うがトイレが不安すぎる。 エコノミークラス症候群予防のため水分摂る必要性は分かってはいるが、どうしても手が伸びない。不安だ。 【同日 PM0:53】 反対車線(上り 米原方面)に救援隊本体が入る。大型重機で除雪。トラックなどを流し始める。 同時に空いたスペースに福井北IC側から簡易トイレ車両が投入される。 【同日 PM1:15】 NEXCO中日本担当者が1台1台のドライバーに確認しだしてる。 「災害対策基本法76条の6第1項に基づき車両確認しています」 どうやら自走できるか?燃料切れか?故障か?を判定しているようだ。 病院で行うトリアージのような黄色い【移動車両(運転手の同意済み)】のステッカーが交付される。 周りの車を見渡すと殆どが黄色い自走可能車両だが、3台に1台くらいは色が違う・・・なにかトラブルあるのだろう その場合は強制的に移動されるらしい。 【同日 PM2:13】 なにか遠くから・・・来る?今度はなんだ? 迷彩柄・・・自衛隊だ!!!!!!! 大きい荷物と雪車に大量のパンを載せて陸上自衛隊金沢駐屯地の自衛官がやってきた!! 「お疲れ様です!パンをどうぞ!」 貰ったのはくるみパンとクリームパン。 嬉しい・・・この人たち、金沢からわざわざ来たんだと思うと胸がジーンとした。 【同日 PM2:52】 いよいよ自衛隊救援本隊がやって来た! 「おい!○○(隊員名)はあっちから!我々はこっちを行う!」 「がんばれー!動かすぞ!そーれ!!」 流石は自衛隊。 恐るべきチームワークと活動量。お手上げ状態の雪を10数人でものの数分で排雪。 さらに動かない車両を人海戦術で動かすなど頼もしすぎる。 【同日 PM3:29】 そして私の番、その前に 「さっきのパン余ってるんですよ?今度いつ食べられるか分かりませんし持ってて下さい」 自衛隊員さんから先程とは違う味のチョコパンを貰う そこまで気遣ってくれなくても・・・助けてもらえるだけで感謝なのに・・・ そして、いよいよ自車が約20時間ぶりに動き出した。 丸岡ICまでは4km しかし、道中は高速道路とは思えないまるでオフロードコースの様相 「止まるんじゃねぇぞ!!!!」 上下左右にガクンガクンとバウンドさせながら、丸岡IC出口アプローチへきた。 ETC料金所を通過。最初に敦賀ICに入ってから24時間が経過していた。長かった・・・これで帰れる ・・・・はずだった。 誰もが「助かった!」「これで家に帰れる!」と思ったはずだ。 しかし、今年の冬将軍はそれを許してはくれなかった。 【同日 PM4:44 北陸道丸岡IC付近】 おかしい。 出口料金所通過して200mほど。ここは料金所こそ通過したが高速道路敷地内だ。またも動かない。 なんだろう?デジャブにしか見えない。 【同日 PM5:54 丸岡インター入口交差点】 ようやく高速道路敷地から出られて一般道へ交差する交差点まで出れた。 僅か数百メートルを進むのに2時間かかっている。丸岡ICは比較的国道8号までの距離は短いインター。 しかし、永延と連なる赤いブレーキランプ。ナビのTVでは赤い着物のもじゃもじゃが座布団を取っていた。 「これではラチがあかない!」 ここで私は1つの賭けに出た。 国道8号に併走する『福井県道17号 勝山丸岡線』へ抜けて、福井バイパス完成に伴い旧道となった瓜生地区へ抜けるという奇策だ。もうそれしか考えられなかった。 【同日 PM6:05 福井県坂井市丸岡町 ドラックストア「GENKY猪爪店」】 ドラックストア・・・まるでオアシスに見えた。 殆んど食品がカラの中に唯一あった「ネギトロ丼」を手にする。久々の米飯だ。 レジ待ちの際、近所の奥様方に「国道8号へ出る方法」と「除雪状況」を伺う。 『瓜生は止めなさい!一本田のほうから国道へ直ぐ出なさい』 意外な答えが来た。 曰く旧道は除雪が間に合ってなく人家も限られるが国道8号なら渋滞に巻き込まれてもコンビニなどあるとのこと。 道順を教えてもらい、皆さんの声援でお店を後にする。 【同日 PM6:42 福井県坂井市丸岡町 国道8号 福井バイパス「一本田福所交差点」】 国道8号は不気味に静かだった。 石川県方面への長い車列、そして殆どの車がエンジンを切っている。 しかし、流石は地元の方々の情報は正確だった。悪路ではあったがかなりショートカットして8号に合流できた。 だが車列は動かない。県境が未だに通行止めになっているからだ。 「これは車中泊2日目だな・・・」 もう何も考えられない。無情にも雪は音もなく積もっていく。 【同日 PM8:48】 もう、自分が疲れてるかどうかも分からない 暖かい暖炉が目の前に見えた (*´°ω°)ハッ!? ハンドルに顔を付き伏せていた。 あぶないあぶない、無意識のうちに意識失っていた。マジでマッチ売りの少女になる寸前だったぞ!? そこへコンコンと窓を叩く音。 雪まみれの奥様が「何にもないけどこれ食べて」とチョコレートを差し入れに来てくれた。 目頭が熱くなる・・・なんで坂井市丸岡町の人達ってこんなに優しいんだ チョコを口に含むと今度は奥様、頼んでもないのにフロントガラスの雪を払い始めた。 「いやいや・・・そこまでは悪いですよ」と一応断るが、「中に入ってたほうがいい。これくらいさせて」と。 本当に地域住民の皆さんに助けられてばかりだ。 【同日 PM10:47】 (※車の屋根です。8号立ち往生前に排雪したはずが・・・) 降雪がさらに強まる。 18時からここで立ち往生に巻き込まれているが既に500mlのペットボトルが半分埋まるほどの降雪だ。 あまりの降雪に後車が心配だ。アイドリングしてる。 すかさずマフラーを確認・・・ヤバイ!すぐスコップ持ってきて排雪。危なかった ドライバーは石川ナンバー、同郷の人だ!マフラーのことを伝えて無事を確認。 その後、「8号使えないなら他に迂回路はないか?」と詮索する・・・が、夜間の移動はハイリスク。 海側の吉崎経由や山側の山中温泉経由など色々案はあったが、すべて却下で8号の開通を待つことにした。 【1月11日(月・祝) AM0:00 福井県坂井市丸岡町 国道8号 福井バイパス「一本田福所交差点」】 とうとう車中泊2日目になってしまった。もう気力も体力もとっくに限界を超えている。 ラジオからはNHK福井放送局平野アナウンサーから「諦めないで下さい!必ず助けはきます!もし体調悪くなったら躊躇わず119に電話してください!」と必死のアナウンスが聴こえてくる。 【同日 AM3:50】 寒い・・・カイロも出したが全然暖かくならない。 エンジン始動して暖房をかけたいが航続可能距離を見ると290km 大体、1回フルで暖房をかけると航続可能距離は10km減っていく。ここから石川の自宅まで90km。 とても楽観出来る数字には見えない。道中のガソリンスタンドに在庫があるかさえ怪しいからだ。 「生きるために戦いなさい。例え明日がなくても、目の前の戦いを生き抜くために戦いなさい」 ウルトラマンネクサスという作品で私が好きなセリフだ。 生きるために…戦う。 そう、もうこれは戦いだ。 諦めたら本当に本当に死んでしまう・・・ 本気で諦めかけたその時、前方車のブレーキランプが突然点灯した!? 「う、動くんですか?」 思わず扉を開けて駆け寄る。 作業員が近づいて来た。「いま牛ノ谷(県境)の集中除雪終わった!動くぞ!前の車に続いて!!」 思わず後ろの車に駆け寄る、やった・・・本当に、本当に動くんだ!!!!!!! 前の車が動く・・・エンジン始動! 凸凹の圧雪路を最後の気力を振り絞りハンドルを握る。ぜったいに石川県に帰るんだ!! 【 AM4:05 福井県あわら市 国道8号 福井バイパス】 数年前に完成したばかりの新しい2車線バイパスだ。 そこを車が1台ようやく通れるところだけ除雪してある・・・これは、本当に帰れるぞ!!! 各交差点には福井県警のパトカーが配備され石川方面へ向かい誘導している 気分はさながら映画「踊る大捜査線」のラストで青島刑事を見送る警察官のようだ。 【 AM4:23 福井県・石川県境 国道8号 「牛ノ谷峠」】 [ 石川県 Ishikawa Prefecture ] 夢に見た故郷の文字が見えた。 何度も何度も何度もこの道(国道8号)は通っているが、石川県の文字が輝いて見える。 あ、あれ?俺、泣いて・・・る? 号泣してた。自分でも気付かないくらいに大粒の涙流してた。やっと、やっと帰って来れたんだ。 【 AM4:27 石川県加賀市 国道8号 「熊坂交差点」】 北陸自動車道 加賀インターチェンジ最寄りの交差点。 そして、ここが悪夢の豪雪通行止め区間の終点だ。もうここまでくれば安心だ。 普段ならゆっくり国道8号を走って帰るが今日は一刻も早く帰りたい。 北陸自動車道加賀インターで誘導員の皆さんに「よく頑張ったな?」とエールを貰い料金所を通過。 石川県側の除雪は完璧だった。 小松空港、手取川、松任海浜公園・・・見慣れた光景にこんなに感銘覚えることはない 私の脳内では壮大なテーマ曲が流れ、さながら映画のエンドロールだ。 そして見えてきた[金沢東 出口]というインターチェンジ標識。これで何もかも終わる・・・・はずだった。 ガガガガっっっ!!!!! 鈍い音と同時に完全に車が止まってしまった。 【 AM5:16 石川県金沢市 北陸自動車道 金沢東インターチェンジ出口 】 出口スロープに差し掛かったとき、轍にスタックしてしまったのだ。 「う、嘘だ・・・ろ?」 最後の最後でこれかよ?福井では切り抜けられたのに・・・ すぐ発炎筒を焚いて雪を掘るがビクともしない。流石に出口で立ち往生はヤバ過ぎる。 人生初の(´∇`)|】ゝもしもしポリスメン? そんな電話してる最中に偶然にもNEXCOパトロールカーが通りかかる。 隊員とあわせて3人がかりで脱出試みる。 そこへワンボックスカー乗った柄悪いお兄さん登場 「おい!ニーチャンなにしてんだ?早くどかせよ!バックしろよ!!」 出来るわけがない。いや、出来るならとっくにしている。 そこにさらに畳み掛けるように 「俺はここで出たいんだよ!!!早くしろよ!!!」 ・・・そう思うなら手伝ってよ?と思うが、NEXCO隊員と黙々と掘りすすめる。 ようやく車を脱出することができた。 「・・・チッ、気をつけろバカヤロー!!」 捨て台詞を言って去っていくドライバー。 NEXCO隊員から「福井で大変だったでしょ?本当にお疲れさま」と笑顔で慰められて少し気が休まった。 ここで出口流出するのは危険とのことで、数キロ先の金沢森本インターチェンジでようやく高速降りれた。 肉体的にも精神的にも最後の最後までズタボロになりコンビニで新聞を全紙買う もう記念だ。 店員さんに「どうしました?」と聞かれ、「うん。今ここから来たの」と指差すと流石に驚かれた。 途中、牛丼屋さんに寄って久々の温かい食事をテイクアウト お家に帰って食べるんだ♪ 【 石川県内某所 西輝望見氏、自宅 】 「う、嘘だ・・・ろ?」(本日二回目) お家が雪に埋もれてた。 豪雪被害は福井だけでなく石川も例外ではなかった。 泣きながら家への通路を掘る!掘る!掘る! やっと家に入れたときは牛丼は冷たくなっていた。(笑) 着てた服を洗濯機に入れ着替えてベッドイン・・・そのまま9時間近く熟睡して3連休最終日は終わった。 【完】 <あとがき> 最後まで読んでいただきありがとうございます。 本当に散々な目に合いましたが、無事に石川県へ帰宅することができました。 あらためて、救助に携わってくれた関係機関や地域住民、Twitterユーザーの皆様に御礼申し上げます。 誇張してるように見えますが全部ノンフィクションです。 さて、今回大雪で2日間立ち往生しましたが、私から皆さんにお願いというか 「これだけは車に積んどいて!!」というものがあります。 1.「毛布」 防寒には絶対必要な一品 2.「シガーソケットから給電できるスマホ充電器」 被災すると情報戦です。 また、精神安定させるためにもTwitterの力は大きかったです。 3.「携帯トイレ」 これは絶対載せておいたほうが良いです!! 男性の小なら恥を捨てれば何とかなりますが大や、女性に至っては死活問題です。 4.「スコップ」(雪道走る場合) 雪道走るときは1本は積んでおきましょう。金属製なら尚良し。 5.「チョコレート」 最後に食料と書こうとしましたが、特にチョコレートは有用です。 カロリー高く、甘いので気持ちが休まります。ドライブのついでに持参するのもありですね? そして、雪道走る際は必ずガソリン満タンで!! 災害はいつ何時、自分に降り注ぐか分かりません。 私の経験が1人でも多くの人の参考になればと備忘録にしました。 今回の一件についてHAB北陸朝日放送様 「HABスーパーJチャンネル」(2021年1月13日放送)番組内にて 報道特集として7分間のVTRにまとめていただきました。 私、西輝望見も僭越ながら電話出演という形で出演させていただきました。 大雪に限らず、万が一災害で車中泊になった際は是非とも私の経験を参考にして頂ければ幸いです。 2021年(令和3年)1月12日 西輝望見
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Last updated
2021/01/15 06:28:53 PM
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