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2005.05.10
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カテゴリ:思い出
ugemさんとこの「バスツアー」を読んで、思い出した。

その昔、深夜12時すぎに博多を出発して、長崎まで走る鈍行列車があった。高校生になりたてで、博多まで遊びにいきたいけど、お金もない。そういうニーズにぴったりの鈍行列車。はじめて乗ったのは、友達のギターを博多まで買いに行ったときだ。

当時、Led Zeppelinのジミーペイジにあこがれてギターをはじめた我々が、目指すギターはもちろんレスポール!...と行きたいところだが、そんなお金があるはずもなく、結局アリアプロIIのレスポールレプリカだったのだけど。それでも当時24万というギターは超大物。私が使っていたポールスタンレーレプリカのフライングアロー(それでも8万。無茶な買い物)とはちょっとものが違った(よーな気がした)。そいつはギターがすごくうまかったので、まあ分相応ということかな。(^^)

正直に言うと、当時の私はツェッペリンとパープルぐらいしか聞いておらず、ポールスタンレーレプリカっつーのは、ずいぶん後にライブビデオを見て知ったのであった。単に店の壁に飾ってあったギターの形がちょーかっこえー!、これは俺のためのギターだ!と思って無理やりねぎって買いました。まあ、そういうもんであります。弾いてたのは、ペイジばっかだったな。あとはフォークを少々。中島みゆきや松山千春、かぐや姫(南こうせつ)といった面々のレコードは買いあさってた。ロックよりも多かったッス。笑。

で、鈍行列車の話に戻る。

深夜までようやく時間をつぶして、駅へと向かう。切符を買うときに、友人Aに道の尾の駅は無人駅だから、途中までの切符で大丈夫だ!と言われ、それならば、ということで、鳥栖までの切符を買って乗り込む。

ガタン、プシューとドアが閉まる。車内でアナウンスが流れる。「この列車は、・・・・・(よく聞こえない)・が佐世保行き、・・・・四両が長崎行きです。お乗り間違えのないようにお願いします。」肝心なところが聞こえないし、何両めに乗ったかなんて把握しているはずもなく、ちょっと不安だったが、周りの友人たちは落ち着いているのでまあ良かろう。とりあえず寝る。

ガタン。ドアの開く音で目がさめる。どっかの駅についたみたいだ。えーっと、うーん知らない駅名だな。そのうち知っている駅に止まるだろ。寝ぼけた頭で考えて、また寝入る。

ガタン。今度はドアが閉まる音で目がさめる。ガタン、ゴトン。列車がゆっくりと走り出す。通り過ぎていく駅のかんばんが見えた。書いてあるどの駅名も知らない名前だ。大丈夫かなぁ。少し不安になってきた。通り過ぎた駅の小さな灯り以外は、ぜんぶまっくら。駅の灯りが暗闇の中に消えていく。

ガタン。次の駅に止まった。ホームには誰もいない。乗ってくる人も降りる人も駅員さえもいない。ただポツンと灯りが点っているだけだ。駅の名前は確かにさっきの駅の看板どおりだけど、やっぱりどれも知らない。

ガタン。ガタン。いくつか知らない駅を通りすぎた後、ようやく名前を知っている駅に着いた。アナウンスによると、どうやらここで切り離しらしい。あいかわらずよく聞こえない。自分がどっち行きの車両に乗っているのか、あいかわらず分からない。しかたなく、ガタゴトで目を覚ました友人に聞いてみる。「これは長崎行きよね?」「えっ?どうして」「どっか行くやつと今切り離しているらしい。知ってた?」「・・・」寝ぼけているのか、いつまでも答えが返ってこない。やはり知らなかったらしい。

実は途中で気になって、列車の中を探検してみたのだが、列車のまんなかは車掌室&運転席で区切られていて、相互に行き来することができなくなってた。向こうの車両に行けば、何か分かるかも、とか、車掌さんに聞いてみようと思ってたけど、こっちの車両には誰もいなかったのだった。まあ、よかろう。切り離されたもんはしかたあるまい。どっちに着くか、はお楽しみっつーことで...と考えているうちに、ガタン、ゴトン。また列車は走り出した。

ガタン。また知らない駅になった。ふぅ。だんだんと目がさえてきて、駅の名前が気になる。佐世保に着いてしまったらどうしよう?そこから移動するお金もないし、家に電話して迎えに来てもらうしかねーか。博多に行くとか言ってないし、怒られるだろうなぁ。まあしかたないかぁ。

ガタン。あっ、知っている駅になった。どうやら無事長崎に向かっているらしい。良かった良かった。そうこうしている間に目的地の道ノ尾に着いた。無人駅だと言っていたけど、結構明るい。とりあえず降りてみた。おいおい人(駅員さんね)が居るじゃん!やべー。「どーする」「無人駅っつったろーが」「どっか逃げ道ないかな」「あの金網越えるか?」とか話しているうちに、駅員さんに呼び止められた。

 「君たち、どうしたの?」
 「ちょっと寝過ごしてしまって」と無人駅と言った友人A。

  おいおいそりゃ無理があんだろう。ほら駅員さんも不審に思ってる。

 「どこまで乗る予定だったの」
 「鳥栖です」
 「本当に寝過ごしたの?4人とも?本当に?」

  こりゃ無理だ。しかたあんめー。

 「すいません。途中までしか切符買ってません」と私。
 「どうもすいません」と友人B。
 「ちょっとこっちに来なさい」
 「はあ、すいません」
 「まったく。ほんとは3倍の運賃をもらうことになっているんだけど、
  まだ高校生だよね。普通の運賃でいいから。お金はあるのかね。」
 「はあ、すいません。あっ、それぐらいなら持ってます」
 「今度からちゃんと切符を買って乗るんだよ。今度だけだからね」
 「ありがとうございます」

こうして道ノ尾駅を無事に出た我々。どうするこっから?始発のバスを待つか?うーん、こんなことなら、長崎まで買って乗っていけばよかったな。歩いて帰れたのに。後悔先にたたず、とはこのことだな、などと友人B、Cと話す。学校に通報されたりしなかった安堵感で、いつもよりも口数が多い。友人Aは無口なままだ。なんとなくぎこちない雰囲気だった。

始発のバスが来た。乗り込む。

友人Aは終始無口だった。私らは、Aを責めるつもりはぜんぜんなかったが、Aはずいぶん呵責の念を感じていたらしい。バカだなぁ。一緒に悪いことやろうとした仲間じゃんか。

 「いやあ、駅員がおったねぇ。驚いたね」おそるおそる話しかけてみた。
 「ふだんはおらんとけどね」ホッとした顔でAが答える。
 「まあ、なんにしてもつかまらなくてよかったねぇ」
 「そうやね」
 「おっ、次だ。そんじゃ降りるけん、学校でな」
 「うん。またな」

最後の最後に垣根を越えることができたので、ホッとした。
意気揚々と帰路に着く。

家に帰ったとたん、「どこ行っとったと?心配しとったとよ!」と母。
しまった。肝心の言い訳を考えるのを忘れてたことに気づいた。
怒られながら、「ああ、家に帰ってきたんだなぁ」としみじみ思った。

こうして、はじめての鈍行の旅は終わった。

#見逃してくれた駅員さん、どうもありがとうございました。
#25年経った今でも感謝してます。





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Last updated  2005.05.10 11:26:43
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