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カテゴリ:我が家
また、シロの話です。
先日、シロが逝ってしまいました。 五月の下旬ぐらいから、普段寝ていた息子たちやママの寝室ではなく、私の寝室のすみっこのダンボールの上に寝るようになりました。どうしたのかな?と思っていたら、今度は洗面所のマットの上で寝るようになりました。 六月に入ってからは、ほとんど食事を取らなくなり、家にも水を飲むときぐらいしか入ってきません。 月曜と水曜に病院に連れていって、点滴とエコーによる診察を受けました。点滴で少し元気になるかな?と思っていたけれど、食欲は回復せず、体重も普段の4kgから3kgまで落ちてきました。遠くに行くわけでもなく、家の周りで場所を変えながら、寝そべっているばかり。 金曜の夕方、帰宅したときに、シロが寝ている様子を見て、びっくりしました。生気がまるで感じられなかったのです。急いで近くまで走っていくと、顔を上げました。ああ、びっくりした。 土曜の朝、昨日より少し元気みたい。 日曜の夜、自室へ行こうとするたくみの肩が落ちているのに気がつきました。 「たくみ、どうしたの?大丈夫かい?」 「・・・だって、シロが元気がないんだもの。。。」と、堰を切ったように、ボロボロ泣きだしました。そんなに気に掛けていたんだ。 驚いてしまって、うまく返事をすることができませんでした。 どんな言葉を掛ければよかったんだろう?と考えているところへ、今度はまこがやってきました。 テーブルの向こうに座って、静かに涙を流しています。 ああ、やっぱり。。。 「ネコは自分の最期を悟ると居なくなってしまうと言うだろ。これはね。本当のことではないらしい。 実際はね。ネコは自分が病気になると、食べることをやめて、誰にも邪魔されないところに じっとして、病気が治るのを待つ、ということらしいよ。それで、病気を治すことが できなかったネコは、帰ってくることがないから、居なくなった、ということらしい。」 「だから、今のシロは、死ぬのを待っているというわけではなくて、病気をなんとか治そうと している。一生懸命生きようとしている、ってことみたいだね。 シロはまだ生きてるし、死んでしまったわけじゃない。本当に悲しむのは、シロが居なく なってからでいいんじゃないかな。」 「シロはずっと家の周りに居るでしょ。うちから離れたい、おれたちに会いたくない、と 思っているわけじゃないと思うんだ。今、おれたちにできるのは、おれたちもシロを大切に 想っているよ、ってことを伝えることなんじゃないかな。」 そんな風なことを、まこに、そして、たくみに話しました。 子どもたちに話しながら、自分にも話しかけていたような気がします。 月曜の朝、もう一度病院へ。 点滴だけ打って帰ってきました。 体力がすっかり落ちているので、もうできることはないらしいです。 毎日毎日、家族が思い思いにシロのところへ訪れます。 そんなにしょっちゅう会いに行ってたら、なんのためにシロが外に居るんだか。笑。 「玄関の方に居た」「居間の方に居た」「裏に居た」って、しっかり情報が共有されます。 水曜の夜、寝る前に会いに行こうかな、とたくみと二人で、さっき居たと聞いた居間の窓のところへ。 あれ、居ない。。。裏かな?。。。居ない。。。んじゃ、門扉のところか。。。居ない。。。 シロ、居なくなったっーーー!と思って、 あわてて一周まわって玄関まで戻ってきたら、居ました。。。開けたドアの後ろに居た模様。 ホッとしました。 木曜の夕方、帰宅すると、(この頃は、みんな、家に入る前に、まっすぐシロのところへ行くのが常になっていました)これまでにもまして、生気がありません。 「シロ、大丈夫かい?痛いかい?」 シロは、静かにまなざしを返すだけ。 痛そうなところに手を当てていると、少しだけ表情が和らぎます。 ママとたくみが帰ってきたので、交代しようとすると、低い悲しそうなニャーンという声。 「すぐ戻ってくるからね」 シロの頭の下に添えていた手をたくみに代わってもらって、まこに連絡。 と言っても、学校に携帯を持っていかないので、まこの友達に、「まことの父です。 すみませんが、まことと一緒に居たら、すぐに帰ってくるように伝えてください。 お願いします。」と連絡。 庭に戻ると、シロの位置が変わってる。 立ち上がろうとして、よろけて倒れたとのことでした。 ああ、おれについてこよう、としたのか。 「シロ、ごめんね」と言いながら、ボロボロ泣いてるたくみと代わる。 まこが、図書館へ行ってたら、帰りが遅くなるな。間に合わないかもしれない。 探しに行くか。「19時まで待ったら?」と嫁さん。そうだな、そうしよう。 「シロ、もうちょっとだけがんばってね。おにいちゃん、もうすこししたら、帰ってくるからね」 19時だ。よし、探しに行ってくる!、と立ち上がろうとしたところで、まこが帰宅。 あわてて探しに行かなくてよかった。行き違いになるところだった。。。 シロの頭の下に添えていた手を、まこに代わる。 シロを独りにするとさみしがるので、交代で夕食を取ることにした。 まこの下に銀マットを敷いて、オーバーパンツを渡してきた。 ・・・あじのみりん干しだ。 もしかしたらシロ食べるかな?いつものように、おいしそうなところを取っておく。 うちの家族は、ネコ顔負けに、すっかりきれいに食べるので、最初に取っておかないと、 シロが「おれのは?あるよね?」と言いだしたときに、あげるものがない。笑。 長丁場になるかもしれないので、普段着に着替えて、コンタクトを外した。 代わる代わるやってくる、たくみと嫁さん用にベンチとランタンを出した。 しっかり着込んだ上で、まこと交代。 夕飯が済んだら、すぐに戻ってくる。 夜も更けてくると、結構冷え込んできた。 「シロ、家に入らないかな?」と嫁さん。 そうだな。わかった。シロに訊いてみよう。 「シロ、家に入ろうか?」 「ニャー」と悲しそうな返事。 だめらしい。 家の中で最期を迎えるのはプライドが許さない、ってとこだな。 最期まで意地っ張りだな。笑。 しょうがないので、もう一枚銀マットをもってきて、おれの居場所を作り、シュラフを 出して、二人でかぶる。おー、あったかいわ。 ・・・ ・・・ 「いつまでそこに居るの?」と嫁さん。 ハッ、いつのまにか、寝てたみたいだ。まこも寝ている。 シロは、まだ息してる。よく寝むれてるみたいだ。よかった。 「今は離れきれないよ。今夜はここに居るよ」 「風邪引くよ」 「大丈夫。結構あったかいけん」 寒っ。夜が明けた。5時だ。シロはまだ息してる。 シュラフ、まこに掛けてるから、おれの上半身には掛かってないもんな。 それに、エコキュートの室外機が回りだして、その風が顔を冷やしてる。 そりゃ寒いわけだ。笑。 蚊取り線香の火を確認して、一足先にお風呂へ。冷えた身体を温める。 朝飯を食べていると、庭から「シロッ」と嫁さんの声。 あわてて、シロのところへ行く。 まこと嫁さんが心配そうにシロを見ている。 もう虫の息だ。 たくみも起きてきた。 たくみを近くに呼んで、シロと顔を合わせたところで、シロの身体の力が抜けていく。 「シロ、ありがとうね。さいごまでそばに居てくれて。 とてもたのしかったよ。 シロと一緒に暮らせて、とってもしあわせだったよ。 家族になってくれて、本当にありがとう。 生まれかわってきたら、また家族になろうね」 こうして、みんなに見守られながら、シロは旅立っていきました。 6月13日の朝、6時30分でした。 この日は、みんなを送り出した後、シロの守りをしながら、一日過ごしました。 夕方、庭に穴を掘って、みんなで土をかけて、お墓を作りました。 シロ、ゆっくりおやすみね。 みんなそばにいるからね。 本当に、どうもありがとう。 ・・・今も帰宅したら、シロの姿を探してしまう。 そして、シロが居ないことに気づいて、シロのお墓までトボトボ歩いていって、 ただいま、って言う。そんな毎日です。 シロ。 シロは、うちの家族になって、しあわせだったかい? 生まれ変わってきて、またどこかで会えるといいなぁ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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