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カテゴリ:我が家
昨年(2022年)の12月27日に亡くなった母の告別式でのあいさつです。
--- 本日は、お忙しい中、母マツエの告別式にご出席いただき、誠にありがとうございました。 母は、本年2月14日の朝、心停止を起こし、蘇生処置により一命は取り止めたものの、その後、意識不明のまま、10ヶ月の入院生活を経て、去る12月27日の午後七時五十三分に息を引き取りました。 私は、母が倒れるちょうど前日の2月13日に、長崎の実家を訪ね、ベッドに横たわる母としばらく話をすることができました。 母は、私の手を取り、「あんたの顔が見れてよかった。ホッとした。」と言ってくれました。 母が言うには、寝ていたら、早産で亡くなった私の兄と未熟児で亡くなった私の弟が迎えに来たそうです。それで手を繋いで一緒に行こうとしたところ、ちょうど祖父と祖母の二人が通りかかって、あんたたちは何しよっとね!あっちに行かんね!と怒鳴りつけて、帰したとよ、とのことでした。それを聞いて、私は、あわてて仏壇に手を合わせて、もう少し待っとってね、とお願いしました。 母が話しを続けます。 「あんたが産まれる時はちょうど島原に墓参りに行っとってね。その帰りに産気づいたとよ」 「兄ちゃんが産まれて直ぐに亡くなったけん。もう子供は産みきれんとじゃなかとかなぁ、と思うとった。」 「そいけん、あんたが元気に産まれて来たときは、ホントにうれしかったとよ」 「だけん、あんたの顔ば見られて、ホントによかった。ありがとうね」 そう言いながら、母は続けました。 「あんたに一つ言うとかんばいけんことのあったっさ。」 「あたしは、じいちゃんと一緒になって、本当によかったと思うとるとよ。」 「いろいろ苦労もあったばってん、好きなこともできたし、いろんなところに行けたもんね」 「そいだけは、あんたに言うとかんば、と思うてね」 と言って、母はギュッと私の手を握りました。 「そうね。そいはよかったねぇ。仲よかごとは見えんばってんね。」と笑って返事をしました。 話し終えると、母はゆっくりと起き上がり、ベッドに座り、いつものやさしい笑顔で私を見てくれました。ああ。会いに来てよかった。少し元気になってくれたばいね。そう思って、実家を後にしました。 母の人生は、傍からみると苦労の連続だったのかもしれませんが、最後の最後に、シアワセな人生だった。そして、父と一緒になって本当によかった、と言い残してくれました。私も最後にそれが聴けて、本当によかったです。これからは、兄と弟と仲よく手を繋いで、私たちを見守っていてくれることでしょう。 お母さん、本当にどうもありがとうございました。私もあなたの息子に生まれて本当に良かったと思います。どうぞゆっくりとおやすみください。 最後になりましたが、本日はお忙しい中のご出席、誠にありがとうございました。心より御礼申し上げます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.05.30 13:52:59
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