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カテゴリ:お仕事時間の話
毎月訪問をさせていただいていた患者様のお話です。
80前の男性の方、もう何年も24時間酸素吸入をされていて、動くと息切れが強く、部屋の中を3~5歩歩くのがやっとという状態でした。 子供さんの家族との同居されてましたが、奥さん以外に患者様の部屋をのぞくことは少なく、少しさびしそうな様子でした。 私が行くと「毎日でも来てほしい」、奥さんも「恋さんが来てくれたで~^^」と言われてました。 何年かぶりで書いたという手紙も送ってくださり、返事を出すととても喜んでくださったこともありました。 少し動けるようになり、暖かくなったら散歩に出たいという話もされていた春先にインフルエンザにかかり入院。 2ヶ月後に亡くなられました。 入院中お見舞いに行った時、私が声をかけ手を握ると、か弱い力で握り返し、「もう今度はおえんわ(だめだ)・・」と。 「もう手も動かせんようになってたのに」と奥さんが横で泣いていた様子が鮮烈に焼きついています。 悲しかった・・。 落ち着かれた頃、お参りに伺いました。 奥さんが「あんたやから・・」と一通の手紙を見せてくれました。 生前、奥さんへの手紙を書いたからいつか見てくれと言われていたそうです。 結婚から子育て、大きな怪我、病気をされたときのこと、お金も家もなく自分で建てた小屋のような家で家族5人苦労されたこと。 すべての事柄一つ一つに「お前が居てくれたから、よい妻、母としてがんばってくれたから乗り越えられた、本当に感謝している。ありがとう」と書かれていました。 そして最後には、 ○○子と一緒になれて本当にしあわせだった これからは自分のためにしあわせに生きてください 今度生まれ変わっても一緒になりたい 本当にありがとう もう奥さんと二人、涙なみだでした。 奥さんも「私はしあわせ者だ~」と。。 本当にやさしい方だったんですよ。 「自分は動けないから、○○子は遊びに行っておいで」と気持ちよくすすめてくれるような方だったそうです。 現実にこんな夫婦もいらっしゃるのだと心から感動。 心が清いもので洗われた気持ちがしました。 自分もよい夫婦で全うしたいと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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