ある意味、歴史的な日
「極めて愚か」「外交的敗北」=自民など一斉批判、公明は評価中国人船長釈放Infoseek ニュース第一報を聞いたとき、私は1977年のダッカ事件が頭をよぎった。超法規的措置、「人命は地球より重い」・・・当時の総理大臣である福田赳夫首相はハイジャック犯である日本赤軍の要求である身代金と政治犯の釈放を全て受け入れた。ダッカ事件も日本国内では当時の福田首相の 「人命は地球より重い」という言葉に賛美の声が多数であったが、諸外国では日本政府はテロリストに屈服し、その仲間を世界中に野放しにしたと批判のあらしであったことは当時の報道の扱いでは皆無であった。今回の事件でも「自民党だったら・・・」と言う声も聞かれる。民主党支持者にすれば、批判の声に対して「自民党だって同じことをしたではないか」というかもしれないが、当時、この事件のダッカでの現場で指揮を取ったのは、今の民主党の副代表である石井一。当時の政府は良くも悪くも総理大臣の政治的判断で日本赤軍との交渉が行われた。しかし、今回は首相は外遊中で不在。その政治的判断は一地方検察官が判断。これは本当に脱官僚・政治主導なのか?総理不在で官房長官はじめ閣僚は何も知らないという立場。政治家がいなくても外交も司法も動く今の日本。それとも見えない力が三権分立を唱える日本の国家の基幹に働いたのだろうか?今回の事件は、完全に日本政府の 外交的敗北であることは間違いない。中国をはじめ、日本に対して何らかの外交摩擦を 抱える諸外国は「日本はこうすれば折れる」という 悪しき慣例を示したことになる。また、中国人船長の逮捕と同じくして、 日本人技術者が4人、中国国内で身柄を 拘束された。 それに対して日本政府の反応は 「今回の中国人船長の逮捕の報復でない」 という姿勢をとっている。これの意味するところは、船長を釈放しても それと引き換えに日本人の釈放という 外交カードを自ら捨ててしまったものと同じ。 また、最新の情報では東シナ海のガス田 「白樺」を中国側が掘削を開始したとのこと。これは、高度な外交交渉ではなく、単に日本政府が中国の圧力に屈したという証拠であろう。