カテゴリ:心に残る一言
「体育の日」。
とても青空が澄み切り天気の良い日だった。 でも私は一人で仕事をしていた。 NHKラジオを聞きながら。 NHK第一放送は祭日特集で『ラジオデー「命を考える」』が朝8時半から夜10時頃まで放送されていた(私は昼しか聞いていないが)。 その中で「たったひとつの命だから」というリスナーからの投稿を紹介するコーナーがあり、思わず聞きながら胸が込み上げるものがたくさんあった。 私は普通に生活しているが、世の中には本当に苦労し悩み苦しみ、それでも負けないで生きている人が大勢いることを再認識させられた次第である。 こんなすばらしい話しが聞けるのなら録音しておけばよかったと後悔した。 この特集が本になったいいなとも思ったがどうなのだろう? こんな話が紹介された。 突然天国に逝った敏子ちゃん 中学2年生の時、いつも一緒にいた敏子ちゃん。走るのがメチャメチャ速くてかっこよかった私の大事な友達。当時うちの中学校には、短距離全国1位のスーパースターがいた。同じくらい速かったのに彼女はスポットライトを直接浴びることはなかった。隣の学校なら間違いなくスターだったろうに。 笑い出すと止まらない。授業中にコソッと渡したメモを見て笑い出して、とうとう先生に怒られた。当然、主犯の私も同罪だった。修学旅行もいつも笑い転げていた。 私の初恋を応援し、何かと世話を焼いてくれたのも敏子ちゃんだった。 敏子ちゃんとは、同じ高校に行かなかった。2年ぶりの再会は成人式の日だった。その日、中学時代を振り返って「あの頃は本当にわがままばかりでゴメン。そして ありがとう」と言ったら「水臭いよ」とけたたましい声で笑いながら、肩をポンと叩かれたのを覚えている。あの時なぜあんなありがとうが出たのかわからない。 結局、その日のその笑いが敏子ちゃんと言葉を交わした最期になった。1年4ヵ月後、風邪ひとつひかない彼女が体調不良で仕事を休み、病院の診察も受けたのに、あっけなく数日後の朝冷たくなっていたという。 あれから21年の月日が流れた。私は敏子ちゃんの2倍も生きた。 敏子ちゃんはみんなと同じように恋愛をして結婚をして、お母さんになりたかったはずなのに、どうしてこの世でそんなに時間をもらえなかったのだろうか?ず~っと私は考えてきたけれど、答えが見つからない。人の寿命が決まっているなら、教えて下さい、残された時間を有効に使いますから。何度も思ったけれど誰に言うわけでもなく、誰が引き受けてくれるわけでもない。21年前は本当に辛かった。彼女が何をしたというの?こんなに突然彼女の命を奪う権利はどこにあるの?誰に聞いても答えてくれなかった。そして21年たった今思うこと…私の中に彼女は生きている。私の中学時代の思い出は、彼女なしでは語ることは出来ない。永遠の友達。 本当に命は一つだし、いつ、終わりの日を迎えるかわからない。今日を楽しく過ごせたことが、どんなにありがたいことか。 やっぱり、【たった一つの命だから一日一日を大切に生きよう】 これしかないと思う。 筑後市 主婦 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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