カテゴリ:介護の現実
もう何度となく私のオフクロのことを書いているが、日を追うごとに状況は少しづつ老いが進行している。
91歳半のオフクロは、介護度5という一番重症の認定を受けている。 これは自分では何一つ出来ない「寝たきり」状態を指す。 食事は介護者がスプーンで口までもっていって食べさせる。 もちろん排尿、排便も自分では出来ないので、介護の手が必要。 ある一定の時間毎にオムツやそこに当てている尿パットの交換が必要である。 家に居るときは私や妻がその介護をしている。 介護保険を使って毎日ディサービスにお願い出来るのであるが、連日お願いするとオフクロの疲れの状況がひどくなるので、毎朝状況を診て判断し、大体週2~3回程度に抑えている。 介護センターに行ったときは、お風呂に入れてもらえるのがありがたい。 入浴はとても家庭では手に負えないのが実情だから。 そして何といっても有り難いのが、適便(肛門に指を入れて排便させる処置)してもらえることである。 もう自分で力んで排便する力がないので、週1回程度こちらからお願いしている。 今日の連絡帳にも「適便しました。大量の便が排出されました」と書いてある。これを見るとホッとする。そしてこの処置をしてくれた介護士さんに頭がさがる。 いま問題は、指を一日中しゃぶることである。もう子供に還っている状態なのだ。 手は白くなってふやけてしまっている。 なにせ認知症が進行しているので、口で「ダメ」と叱っても全く効果はない。 いまは手全体をタオルで巻いて手首を縛り、ボクシング選手のグローブのような状態にして対策をとっている。 それでもその巻いているタオルの端を口にして唾液でビショビショになり、周りの衣服や布団にまで湿り気が移る。 そこでたまりかねて利き手をベッドのガードに縛って手が口にいかないようにした。 それでも届かない手をさかんに口にもっていこうとする行動は止まらない。 親を縛るなんて申し訳ない行為かもしれないが、こうもしないとどうしようもない状況なのである。 去年の3月、6月と2度にわたり、意識が薄れる状態になり、もうおしまいかもしれないという医者の宣告を受けながら、また持ち直し現在に至り医者もその生命力に驚いている。 普段は寝ているのが大半のオフクロ。 でも、食欲は旺盛で、体温、血圧もこれといった異常がない。 もう半年もすれば92歳の誕生日を迎える。 いったいいつまでこういう状況が続くのか予想もつかない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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