カテゴリ:思い出の数々
私が住んでいる地域にお寺がある。
雨の日も風の日も、必ず毎朝6時には「ゴ~ン~」と鐘の音が響いて来る。 この鐘の音は、私が記憶している限り幼い頃から今までず~っと休むことなく続いている。 寝ていても、早々と起きているときでも、この鐘の音で時間が分る。 冬は寒くてまだ床から抜け出せない時間に響いて来る。 夏は清々しいひととき、裏庭に出て朝顔の花を見ている時に響いて来る。 なぜか心落ち着き、私には快い音色なのである。 人生にとっても、幸福な音が三つあるという。 一、夫が家に居て、静かに本を読んでページをめくる音 二、その傍らに妻が居て、何かを作っている音 三。その夫婦の側で、子供が元気に遊び戯れている音 (西洋のことわざ) 時代が変わり所も違うかもしれないが、素朴な音が響くこのような光景。 間違いなく幸せ漂う家庭の光景が目に浮かぶ。 私はこんな音の光景を思い出す 外は木枯らしが吹き、雨戸がガタガタ音を立てている 家の中では、練炭火鉢にかけられた鉄瓶が、音を鳴らしお湯が沸いていることを知らせている オフクロはラジオを聞きながら縫い物をしている 私達三人兄弟は、雑誌の付録の双六でサイコロを振りながら歓声を上げて遊んでいる なぜかここにオヤジはいないが、まだ子供であった私の記憶にこんな光景があったことを思い出す。 もう半世紀も前の懐かしく淡い思い出だ。 でも・・・・戦争でお互い殺し合いう爆弾の炸裂音、ヤジと怒号が入り交じる群衆の声、悲惨な災害に嘆き悲しむ号泣の声 この世にはこういう我々が決して望まない音や声が、いまだに絶えないで続いている。 音にも幸せな音、悲しみの音、苦しみの音、いろいろある。 出来ることなら歓喜の音を聞きたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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