カテゴリ:人生を考える
我がオフクロは、明日で満92歳の誕生日を迎えます。
それだけ聞けば、「長寿おめでとう」と祝福され、嬉しく思うのが当たり前のことと思います。 でも、今の現在・・・・・素直に長生きを喜べる人は、どれほど居られるのだろうか? 「元気で長生き」これこそ皆が望む長寿への願い。 昨年の今頃、もうオフクロはあの世に逝っている可能性が90%だった。 だって、いつも看てくれている医師が、「もし会わせてあげたい人がいたら・・・・」と一週間の寿命を宣言されたほどだった。 私は覚悟して、近親者に連絡したり、万一の時の葬儀予約まで段取ったりした。 ところが・・・・・・やっぱり大正生まれの女性は強い。 とうとう、あの衰弱状態から見事回復したのです。 25キロ台だった体重は28キロまで回復。 ボケ(認知症)の回復は望めないが、とにかくちゃんと生きているのです。 でも、現実は可哀想の一言。 「要介護度5」は、自分では何も出来ない状態。 介護者が口に持っていってやらねば飲食も出来ない。 排便排尿の始末も、介護者の大事なお仕事。 いまオフクロの状況を客観的に見たら、「可哀想で自分はその二の舞は踏みたくない」と思う。 でも、誰しも自分がそうなるなんて思ってもいない。 いまこうして毎日介護している。 食べる、そして排出する、の繰り返し。 毎朝熱を測る。低い時は35度台。 でも、少し熱っぽいなと思うと37度を超える。 そんな時は、水をたっぷり飲ませ、体に風を入れてやると、30分後に測ると0.2~0.5分ほど下がる、 外部の条件で簡単に変わるのだから、如何に自分での体温コントロールが衰えているかが分かる。 私たち3兄弟産み、育んでくれたオフクロ。 貧しいなかでも身を粉にして働き、私たちを成長させてくれたオフクロ。 いまはもう昔のような面影は消え失せ、すっかり幼児に還ったようなオフクロ。 いいよ。遠慮なく命ある限り生きて頂戴。 その間、ちゃんと面倒看るから。 もはや、そういう周りの態度に感謝という気持さえ感ずることが出来なくなった認知症のオフクロではあるが、92歳の誕生日にあらためて、安心宣言を発したいと思う次第であります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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