ご利用者、お客様のいる立場の人が免れないシーンに
「苦情」というのがあると思います。
もっとも、この言葉は「クレーム」とも言いかえられがちなので、最近では
「お申し出」と言い換える企業もあるようです。
最近、このお客様のお申し出、について考える機会がありました。
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自分もこまったときは店舗などに申し出ることがあります。
これは、
「一言、文句を言ってやろう」と電話をするわけではありません。
「同じ思いをするお客さんがほかにいたら気の毒だし、出来れば説明がほしい」と
思うから、アクセスします。
お店側から、このお申し出を受けるときに大事なことがあると思います。
まず、
1.お申し出を受けたときにまずお詫びする
※これを言うと、「こちらが悪いかどうか分からないのに、すぐ謝るのは間違っている」
という人がいますが、はたしてそうでしょうか。
申し出が正しいか正しくないか、はここでは問題ではないのです。
なぜ、お客様はわざわざ電話をかけてこられているのか?
それは、どちらが正しいかは別として、自社の販売したものやサービスがきっかけで、
腹が立ったり困ったりしたことが発生しているといるから。
とりあえずそういう思いをさせ、電話をかけるようなご足労をかけたことについて
まずはお詫びする、という姿勢が大事なのではないかと思います。
2.お客様の話を口をはさまず、最後まで聞く
途中でつい、「それは…」と言い訳をしたくなりますが、
説明している途中で口をはさまれるということは、言い分を聞いてもらっていない実感を
お客様は持つのではないでしょうか。
口をはさまない、は傾聴の基本ではないかと思います。
3.ポイントを記録し、ご説明、お詫び、その他しかるべき対処をする。場合によっては責任者が対応する
お客様が何を求めているのかを見極め、こちらの立ち位置を見据えつつ、
出来る限りの対応をさせていただく。
どちらに非があるかないか、もそうですが、疑問があればご理解いただける説明と、
こちらに手落ちがあれば、対応をさせていただく必要があります。
そもそも、お客様はいちゃもんをつけにお電話をしているわけではないと思います。
万が一、悪意によるものなら、そういう行動に出ようとしたきっかけがなかっただろうか。
勘違い、どちらかの手落ち、不満の元は何なのか。
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これは私自身の考えなのですが、
お申し出をしてくださるお客様はなぜ、お申し出をしてくださったのか。
きっと、腹が立つ何かがあった、という場合が多いのではないでしょうか。
では腹が立つ、とは。
「思っていたのと違う」
「思っていた」のは、何を思っていたのか?
「ここの商品は、サービスは○○だろう」という、期待なのではないでしょうか。
それがふたを開けたら「思っていたのと違う」
それはお客様の期待に沿えなかったということではないでしょうか。
私は、こうしたお申し出をしてくださるお客様は、その時の対応によって、
その後も顧客になってくださるか、落胆から自社にマイナスな立場になるか、二つに一つである気がしてなりません。
なぜなら、期待をして申し出てくださっている方は、愛情あってのことだとしたら。
きちんと対応することで、ファンになってくださる可能性もあるのです
それは商品の魅力を越えた、自社の対応、心、に対しても支持してくださる存在になるのではないでしょうか。
または、
申し出た上にさらに嫌な思いをしてしまったら。
期待をしていた分、好きだから申し出た分、大きく落胆し、イメージがダウンするでしょう。
身近な人に、悲しみを話すかもしれない。
失われたイメージを取り返すのは、なかなか容易ではないのかもしれません。
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こんなことを思うのも、自分が申し出た経験があるからだったりします。
期待しているお店や商品は、これからもずっと応援したいしファンでいたいのです。
それに気持ちで応えてくれるお店かどうかに、
その後もファンでいられるかどうかがかかっていると思います。