詰め込み過ぎの波紋
今日も観劇してきたのだけれど…いい感想が書けないから、タイトルは表記しないで中身に関して少しだけ。まず…劇場のサイズに対して、料金が高すぎる。その分セットや衣装が豪華だったりすするとか、すごく人気のある役者さんやタレントさんを間近で見られる特権があるとかだったらアリっていうか、もっと高くても納得せざる得ない場合もあるけど…、今回拝見した芝居でいうと、謙虚に言っても1,000円高い。お耽美な世界でアングラの香りプンプンだとは聞いていたけど、色んな意味で薄い…それならガッツリ演って欲しい。薄いと伝わらない。確かに耽美派の巨匠ホイッスラー画伯の「白の少女」(だったかな?)みたいなイメージは無きにしもあらず。感性の復興というべきか…“美”そのものが辛辣に伝えるメッセージは評価されてしかりだけど、薄いと何もないコトになっちゃう。社会批判を演劇で表現するのもいいけど、演じ手がキチンと自分なりの解答を持たずに人前に出してしまっているように感じたし…。「己をみつめろ」といったようなメッセージがあるんだけど、役の人物以前に、役者さんが己を知らぬようにも見えて…違和感あるし。明確で分かりやすいストーリーにすればする程、ある意味限定度があがるから、感覚的な物を伝えるのに、あえて抽象化するのはいいけど、薄いから絵にならない混乱みたいになってて、表現として成立してるのか疑問。池に1つの大きな石を投げ込むと、水面に見事な波紋が広がるけれど、無闇に沢山の石を投げ込んだら、波紋は混ざり合って何だか分からなくなるでしょ?沢山の石をいっぺんに投げ込んだのに、見事な波紋を創りたければ相当な計算とセンスが必要なんだよね。