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マンハッタンで考えてみた

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2008.06.04
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カテゴリ:てくてくNY散歩
 なかなかウェストチェスターまで足を運ばない私たちに友達がHistolic Hudson Valleyのツアーを見つけてくれました。どれも素敵なツアーでしたが、その中でもKykuit(カイカット)にあるRockefeller邸に魅かれ行ってきました。 

Rockefeller

前から見ると4階建てですが、後ろから見ると6階建てということがわかります。
壁にはっている蔦は藤でした。

 Sleepy Hollowにあるビジターセンターに予約の旨伝え、何時のツアーに参加かシールをペタッと貼って待っているとバスが来ました。平日の昼間だったので、私たちだけだったらどうしようと危惧していたのですが、ほぼ定員(1回18名まで)になっていてビックリ。人気のツアーなんですね。

 入り口から玄関までの長いこと。この邸宅は1913年にパーティーをするわけでも、客人をもてなすわけでもなく、ロックフェラー家の個人的な別宅として建てられたそうです。それでもお金持ちの証、ゴルフゴルフコースが9つあるらしく、優雅にプレイしている方がいました(後で聞くと、ロックフェラー一族か特別な友人しかプレイできないらしい・・)。 

Rockefeller 2

一族が好んで眺めた玄関からの眺望。

 この邸宅には石油王で慈善家のJohn D. Rockefeller(以下JDR)、2代目John Davison Rockefeller, Jr.(以下ジュニア)、3世代目Nelson Aldrich Rockefeller(以下ネルソン)と4代目になるその息子の4世代が住みました。家が建った段階でジュニアは32歳、息子のネルソンは父ジュニアが亡くなってから移り住んだそうなので、このカイカット邸で暮らした子供は4代目だけだそうです。

Rockefeller 3

とても丁寧に説明してくれたガイドさん。
ネルソンが集めた60を超えるモダンアート彫刻があちこちに置かれていました。

 邸宅内の写真撮影はNGだったため、中をお見せすることができないのですが、実にJDR、ジュニア、ネルソンの個性の出ている家でした。晩年は慈善家として知られたJDRでしたが、常に実利を求めていたそうです。ゴルフとボーリングが好きだったそうですが(だからゴルフコースも)芸術に興味はなく、商談をする部屋にはフランクリンの肖像画が、書斎兼リビングルームには1ドル紙幣のワシントンの肖像画がかけられていたそうです(ジュニアの時代は台所にかけ、ネルソンが元の位置に戻したそうです)。

 一方、ロックフェラーセンターを建てたジュニアは中国の磁器に興味をもっていました。父JDRを「投資」と説得して購入していたそうです。この「投資」という言葉ばJDRにとってはマジックワードでした。また、浮雲のような曲線のレリーフが好きで、暖炉、天井、家具にこのカーブのレリーフを部屋ごとにお揃いで彫っていました。

 ジュニアは自然保護にも興味を持っており、このカイカットもナショナルトラストが管理していました。ガイドさんの話では、あるときジョージワシントン橋から南と北を見て、繁栄させることがいかに緑を減らすかを知り、自分なりに自然保護の対策を練りました。それは・・只管土地を買って寄贈することでした。ヨセミテなどの国立公園もその代表です。お金持ちはスケールが違う! 

Rockefeller 4

 この家を長く所有し、自分色にしたのは3代目ネルソンのような気がしました。父ジュニアが明の時代などの中国の陶磁器に惹かれたように、ネルソンも陶磁器に魅せられました。マイセンの鳥の置物や"The China Room"というティーカップのコレクションルームでは、バッキンガム公爵家の陶器一式がありました。ここはあくまで自分で楽しむようの部屋だったようです。

 ネルソンの母であるアビーはMoMA創設にも一役かっており、息子に芸術を見極める審美眼を養わせたようです。この邸宅のもう1つの目玉はネルソンの集めた美術品です。地下のホールには無雑作に芸術品が置かれており、もうビックリ。もちろん柵などありません。ピカソのタペストリーや絵画、ロートレックの素描、シーガルの石膏作品、MoMAで見たことのある人たちの作品の数々。

 玄関から門の途中に旧厩舎(だと思う)がありました。ここには年代モノの高級車が並んでいましたが、その中に"Governor"プレートがありました。誰だろう・・と思ったら、ネルソンの兄弟がアーカンソー知事を務めていたり、ネルソン自身もニューヨーク州知事から副大統領(フォード大統領時)になっていたのですね。ロックフェラー一族は経済界だけでなく、政界にも進出していたとは知りませんでした。

 このカイカット邸は4代目で手放しましたが、今でも一族が一部を使用しているそうです。5/10から秋までの一般公開ですが、スタッフが公開に先駆けて邸宅内を観にいった2日前には一族のパーティーが開かれていたそうです。





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Last updated  2008.06.06 13:26:05
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