尊敬する人が・・・・。 株式会社オアシス
残念ながら・・・・・・。尊敬していた人が亡くなりました。私が若かった頃から尊敬していました。自分ではとても出来ないのですが、こんな人がいるんだ、と胸を熱くした思い出があります。「特捜検事の鬼」という呼び名で有名な吉永祐介元検事総長です。吉永さんの名を知ったのはあの裁判でした。そう、「ロッキード事件」。裁判で田中角栄元総理を被告とし、東京拘置所に送った裁判の主任検事でした。責任感と強烈な自負を持ち、「首相でも庶民でも法の前では平等だ」という有名な言葉を残しました。当時の私はまだ青二才。曲がった事が大嫌いでした。そんな時に「悪い事をすれば総理大臣だって逮捕する」というのは本当に痺れましたね!吉永さんはロッキード事件後もリクルート事件、東京佐川急便事件なども手掛けました。ゼネコン汚職事件などの事件なども手掛け、大阪高検検事長から東京高検検事長。最後には検事総長まで上り詰めた訳です。当時は検事総長は法務官僚が就くのが慣例でした。その慣例を破る異例の人事も記憶に残っています。「首相も庶民も法の前では平等だ」という青臭い言葉も頑固一徹な吉永さんが言うと納得する訳です。「巨悪は眠らせない」。痺れますね!検事総長に就いた時も職人気質の性格は変わらず、特捜部の資料を直に取り寄せ自ら捜査指揮をするという「永遠の主任検事」なんです!新聞にも「一貫した職人気質の底には『法の下の平等』といった戦後民主主義理念への真面目な信奉があったように感じる」とありました。こんな人が検察のトップだったら本当に信頼できると思いますね。最近、強引な手法で批判を浴びている検察、特に特捜検察。この現状を憂い、苦々しく思っていた事でしょう。最近ハマって読んでいる今野敏著「隠蔽捜査」の竜崎伸也に彼の全盛期の面影を見る私です。惜しい人を亡くしました。吉永さんの意志を引き継ぐ、青臭くても信念を持った検事がいることを願います。合掌。