サンサーンス作曲、組曲“動物の謝肉祭” より『白鳥』は、あまりにも有名な曲で、元譜はチェロ用に作曲されたものです。ヴァイオリンでもフルートでもよく演奏され、元譜どおりト長調で演奏されます。

今、すっかりはまっている、例の “I'm a Quartet” にもこの『白鳥』があり、弾いてみたらとても魅力的で、ヴァイオリンとチェロのかけ合いも楽しく編曲されていて、弾いていてとても気持ちの良い quartet に出来ています。

組曲は１４曲から成り、『白鳥』はその１３番目。この組曲は他の作曲家の楽曲をもとに、風刺的に用いて作られていて、プライベートな目的で作曲されたこと（wikipediaより引用）から、サンサーンスは生前にプライベートに２回演奏しただけで、発表を禁じていたそうです。

この１３番目の『白鳥』だけはオリジナルで、特に有名で、色んな独奏楽器で演奏されますが、本来は室内楽曲として作曲されたものです。

この｢白鳥｣の旋律で、ミハイル・フォーキンが1907年に、バレリーナのアンナ・パブロワのために、 湖に浮かぶ一羽の傷ついた白鳥が、生きるために必死にもがき、やがて息絶えるまで描いた作品、『瀕死の白鳥』は、あまりにも有名です

アンナ・パブロワはとても精力的にこの『瀕死の白鳥』の公演のために、船旅の時代に世界ツアーを繰り返し、日本でも1922年に、公演しています。芥川龍之介は彼女のこの『瀕死の白鳥』のバレーを、絶賛したそうです。

この『白鳥』から、色んなエピソードを知ると、演奏していて、余計にまた別の愛着が湧いてきますね。