今日診察に来られたAさんは、生後2カ月から岡梨奈孝至の診察に見える方です。もう35歳なのですが、ずっと小児科(正確には小児神経外来)に来て下さっています。私が岐阜に転勤になったら、大阪から岐阜まで来て下さるのです。ほんとに頭の下がる思いです。
そのAさん、音楽が好きで、岡梨奈孝至の篝火コンサートにご両親と一緒に、聴きに行きたい、とおっしゃるのです。ところが、篝火コンサートは神社の急な石段に腰掛けて、聴いていただく野外コンサートです。Aさんは車椅子なので、とても石段を上るには、危険を伴います。
そう申し上げると、下の広い踊り場で、「親子で聴いていますから」とおっしゃるのです。
お気持ちはありがたいのですが、大阪の屋内でのコンサートに来ていただくことになりました。
あとで分かったのですが、Aさんを連れて篝火コンサートを聴かせてあげたい、とおっしゃる前に、ご両親のみで、篝火コンサートに来てくださっていたのです!
今日の診察では、会話も不自由なAさんなのですが、岡梨奈孝至の顔を見て、ほんとに嬉しそうなお顔で、身体を摺り寄せてきて、親愛の情を表わしてくださるのです。
結局、大阪の屋内でのコンサートにお出でいただいたのですが、今日診察して、一生懸命お育てになったご両親の献身的なお姿に触れて思ったことは、みんなと同じ席の石段に座って聴けなくても、ご両親の要望通り。下の広い踊り場で、お聴きいただいた方が良かったのでは?と強く想った次第です。