『種を播く人』と言えばミレーの有名な代表絵画です。昨日、京都で開催中の『ゴッホ展』を観に行き、ゴッホがミレーの『種播く人』のイメージで、独特の世界をキャンバスに繰り広げているのに、とても新鮮な驚きを感じました。
そこには、ミレーの『種播く人』には見tられなかった、カラフルな世界があり、そんなところにはないはずの、大きな太陽が輝いているのです!しかも、ミレーが『種を播く人』の中に、神への畏敬と感謝の念を込めたのに対して、ゴッホは「私は神の種を播く人を描きたかった。」という、この一枚の絵に託した、彼のメッセージを、私達に投げかけているのです!
もうひとつの大きな新たな衝撃は、ミレーの描いた、浮世絵のヒントによる『花魁(おいらん)』です。浮世絵を細かく観察しながら、キャンパスに向かって鏡対称に『花魁』描くミレーの姿が、まぶたに浮かんでくるような、大きな衝撃を感じさせる一枚の絵です。
私達が西洋の油絵を観て、とても大きな衝撃を受け、油絵を必死で学び、取り入れようとしたのと同じ頃、ゴッホは日本の浮世絵を目にして、私達の想像を絶する大きな衝撃を受けたのでしょうね。
ゴッホの『ひまわり』や『ポプラ並木』は有名ですが、『種播く人』に見られるゴッホの絵画への姿勢、『花魁』に観る、浮世絵への称賛と憧れ。今回のゴッホ特別展では、今までとは違ったゴッホ絵画の切り口を観ることが出来た、とても充実した絵画展でした。