「ここ数日、とても暖かくなりましたね。今日は『春の唄』を練習してみましょう。ずっと以前にいちど教室で練習しているのですが、覚えている人は、手を挙げてください。」
教室で、誰ひとり手を挙げてくださいません。
「じゃあ、初めてのお方のために、復習も兼ねて全員で練習しましょう。」
準備していた『春の唄』の楽譜を、全員に配って、練習を始めました。皆さんよくご存じの唄なので、すぐ吹けるようになりました。
「この歌の練習のポイントは、なめらかに吹くところと、スタッカート出きっちり音を切って吹くところとの、吹き分けを、きっちりすることです。」
皆さん、とても楽しそうに吹いてくださいます。
これに気を良くして、2nd パートを付けてみました。次回の教室では、デュエットで楽しんでいただこうと思っています。
この『春の唄』は、昭和12年(1937)に「国民歌謡」の1つとして、NHKから発表されました。「国民歌謡」は、家庭で歌える明るく清新な歌を普及させようという目的で、NHK大阪で制作・放送された一連の歌で、『春の唄』をはじめ、『朝』や『椰子の実』など、今でも歌い継がれている傑作が、生みだされました。