『羊と鋼の森』。久し振りに一挙に読み上げました!高校生の時、偶然学校のピアノを調律しに来た調律師と運命的な出会いをして、深い感銘を受け、ピアノ調律師の道を歩む主人公の成長を描いた小説です。
確かに主人公はピアノ調律師なのですが、そこに登場する様々なエピソードや、音を追求する姿勢は、オカリナに魅せられ、オカリナを愛する岡梨奈孝至にとって、とても惹き付けられるところが多くみられるのです。
ある時、最初に出会ってピアノ調律師になろうと決心した、その尊敬する調律師に、ずっと持ち続けていた疑問を、ぶつけます。
「先輩は、どんな音を目指しているのですか?」
その問いに対して、先輩は、小説家、原民喜の目指す文体についての言葉を引用して、目指している音は、これなのだ、と述べるくだりがあります。
「明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛(たた)えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体」
この引用の、「文体」を「音」に置き換えると、憧れの先輩のピアノ調教師が目指している音になるのです。
岡梨奈孝至の求めるオカリナの音も、こんな音でありたい、と深く衝撃を受けました。
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最終更新日
2018年06月11日 09時50分46秒
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