「調律にも才能が必要なんじゃないでしょうか?」
「そりゃあ、才能も必要にきまってるじゃないか。」
この主人公と先輩のやりとりのあと、先輩が付け加えます。
「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっている気持ちなんじゃないか。どんなことがあっても、そこから離れられない執念とか、闘志とか、そういうものと似てる何か。俺はそう思うことにしてるよ。」
ある時、ピアニストを目指す高校生のことを、
「いくら弾いても、ぜんぜん疲れないんですって。」
そこで、上述の先輩は、
「そんなに練習できるというのは、それだけで才能ですね。」
何かを我慢してピアノを練習しているのではなくて、努力をしているとも思わずに、何時間も楽しみながら練習していることに、意味がある、というのです。
私はオカリナ演奏で、才能がある、なんて考えたこともありませんでしたが、オカリナを吹くことが、楽しくて楽しくて、時の過ぎるのも忘れて、夜明けまで吹いていたことがあります。
これでは身体を壊す、と思って、練習を自制するようになりました。吹けば吹くほど、今まで気付かなかったことに気付いたり、新しい発見があるのです。また、新しい発見が無い時でも、表現しがたい清々しさを感じるのです。
楽しめること、そのあと、清々しさを感じたり、新しい発見があったりすること、だから長く続けられること。これは才能とは別のように、岡梨奈孝至は思うのですが。
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最終更新日
2018年06月15日 01時43分11秒
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