名古屋ボストン美術館で開催中の、『ボストン美術館の至宝展』に出掛けました。
いくつか目を引く出展作品は、どうも以前に観た記憶のあるものです。一生懸命おぼろげな記憶をたどって、これらの作品は、私がアメリカ留学中に、ボストン美術館を訪ねた時に、観たものだということを、思い出して、ひとり苦笑しています。
今回の特別展は、さすがに目を見張る出展作品が数多くあり、どれも素晴らしい展示です。なかでも特に印象深かった展示が2点ありました。
ひとつは中国美術のコーナーで、南宋の『九龍図巻』です。濃淡鮮やかな墨絵で、九頭の龍が、今にも画面から飛び出してきそうな勢いで、描かれています。その中でも特に印象深かったのは、一頭の高齢の白髪の龍が、2頭の若い龍を指導している一枚です。指導者ならぬ指導龍の思慮深い顔と、一生懸命学び取ろうとする二頭の若い龍の対比が、興味深く描かれているのです。
いま一つは、江戸時代に英一蝶が描いた江戸時代の作品、釈迦の『涅槃(ねはん)図』です。これはアメリカのボストン美術館で、傷みの激しかった元の作品を、今回の特別展目指して、半年以上かけて修復し、見事に色彩豊かに再現されています。
修復されて再現された作品も素晴らしいのですが、そこに描かれている、死にゆく釈迦が横たわる傍で、小動物や像や豹が、哀しみに打ちひしがれている様子が、見事に描かれているのに、強く惹き付けられました。
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最終更新日
2018年06月22日 00時35分03秒
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