東山動植物園の一隅に、日本の竹の種類を集めたコーナーがあります。岡梨奈孝至には、どれも同じ竹に見えるのですが、ひとつひとつ固有名詞が付いているような竹ばかりで、DNAはそれぞれ違っているのです。
そのコーナーの反対側には、延々と続く竹林で、その横の道路沿いに歩いていると、つい最近読んだばかりのファンタジー小説に出てくる、若者の笛に合わせて、天女のような舞いを舞いながら、この世とあの世をつなぐ舞姫の話が、現実味を帯びて、彷彿とさせられます。
その小説では、この舞姫が天女のような舞いを舞いながら、あの世に行ってしまい、笛吹の若者は、笛を吹きながら、消えた舞姫を、この世に取り戻そうとする物語が、展開してゆきます。
舞姫を追ってゆくと、舞姫が残していった扇を見付け、そうこうしているうちに、大切な笛を壊してしまいます。そこで笛創りの匠を訪ねてたどり着いた竹林で、笛創りの匠から、祖父の時代に、実はこの竹林で、かぐや姫が生まれたのだ、というお話を聞いて、この舞姫は、かぐや姫の分身で、天に帰ってしまったのではないか、という錯覚に陥るのです。
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最終更新日
2018年11月02日 06時31分56秒
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