しみじみ、じんわり。
本年、1冊目のマンガです。岩岡ヒサエ『土星マンション1』(小学館)。地球全体が保護区となった時代、人々が暮らしているのは、地上35,000メートル土星のリング状のマンション。マンションは上層、中層、下層にわかれ差別がある。中学を卒業し、このマンションの窓を外から拭く仕事についたミツ。彼の父親も同じ仕事とだった。しかし、父親は数年前に、仕事中の事故で帰らぬ人となってしまっていた。母親はすでに亡く、ひとりぼっちミツ。下層に暮らす彼は、仕事仲間や、優しい隣人に囲まれ、仕事に学び成長していく。いつか、彼の父親の心を知るために。なかなか、設定の面白いマンガだと思います。成層圏に浮かぶリング状のマンション。そのマンションの窓を外から拭く仕事。外気で作業するには設備が必要で、窓拭きを頼めるのは上層の裕福な人間だけ。けれども、結婚式を日の光の下で上げたいという、下層のカップルがやってきて・・・というお話が好きです。人が人を大切に思う気持ちにあふれているマンガです。ロマンチックなセリフがいっぱいで、優しい絵も可愛い。(「浅田いにお」っぽい絵だな。)本年一発目から、すごくいいマンガに出会いました。今年一年、どんな出会いがあるのか楽しみです。でも、またIKKIコミックスだ。今年もIKKIにやられちゃうのかな?それもまた楽しみでもアリ。