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カテゴリ:ドラマCD 感想
『続・ふしぎ工房症候群』シリーズ『EPISODE.4 兄からの手紙/神谷浩史』
このシリーズは久し振りに聴いた気がする。 最初のシリーズとドラマCDはリアルで全部聴いたけど、続編に入ったら何か……。 とか言いながら、続編もこれで聴いたのは3枚目。。。 う゛……神谷君自体は良いのよ。 神谷君は事故以来化けた人だと思っている。本当、あれは転機だったんだね。 よく勤めていると思って聴いていた。 このシリーズは、演じている声優さん達は良くやっていると思うよ。 問題は、、、脚本。 あのね、正直言ってかなり食傷気味。 基本コンセプトが「ささやかな幸せを求めて」だから、 描かれる人物が底辺の人間に限られているのね。 尚且つ人間的に少し足りなかったり捻くれていたり後ろ向きだったり。 サクセスストーリーじゃなくて、 真剣に足掻いて前向きになることによって自分にとってのささやかな幸せを見出す。 と言ったような、基本が全部同じ作りなのよ。 最初のシリーズはそれでも「ふしぎ工房」の老人の味もあって、 また、初々しい意気込みみたいなものもあって聴けたけれど、続けば食傷、ワンパターン。 擦り切れて使い古された感じの上、新しさも工夫も感じられない、何だかなぁ……。 柳の下にどぜうを何匹捕まえようとしているのか。飽きる。 この話は、出来の良い兄と比較され続け、学校では虐められ、 両親には出来損ないと蔑まれるような状況で引篭もりになり、 挙句居た堪れなくなり家出し、なるようになってしまった男が、 10年目に再会した兄によって母の死を知らされ、 自棄になりその後弾みで傷害事件を起こし、服役中に舞い込んでくる兄の手紙から始まる。 ウザいくらいに面倒を見たがる兄が出所の時に迎えに来なかったのは――。 今回聴いたのは、最初のところでもう話の先が読めてしまった。 解りきった展開でそれでも聴かせようとするならば、もう少し工夫してよ~、、、 と思いながら最後まで聴くのは苦行とまでは言わないけれど白けてしまった。 泣かせよう泣かせようと言うあざとらしさが滲み出て、気分が悪くさえなった。 もう少し視点を変えて描いてみるとか、 そこ迄無垢な善人がいたら本当に白々しい物語でしかないわ、とか。 主人公の捻くれ自体も、最後には結局はポーズ的な意味合いにしてしまって、 それはそれで良いけれど、そのポーズを取らざるを得なかった心情を肯定するのではなく、 後悔することによって否定してしまっている辺りがね~。。。 同じ心を救うにしても、その為に話し事態がチープになってしまっている。 虐げられる人間を描くなら、安易な救いは嘘臭いだけ。 朗読CDと言っているけど、元々このシリーズは朗読ではなく一人芝居だと思って聴いている。 断じてこれは朗読ではない。 視点があくまで一方的で、自分で進めていく話だから。 それ自体は問題は無いのだけど、脚本は全て描き下ろしなのだから、 朗読CDと銘打つなら本当に小説を朗読するものを作って欲しいわ。 って、朗読CDは他のところから色々出ているけれどさ。 朗読には完璧な一人芝居、台詞を演じるようなものは邪魔なだけだと思う。 このシリーズには自分の台詞とモノローグしかない。 客観的な視点のある、それが朗読だと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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