女子刑務所と福島
女子刑務所の定員過剰収容状態を受けて、我が国7番目の女子刑務所として2004年に誕生したのが福島刑務所(収容人数500)である。受刑者数が増加する中でも高齢者、外国人、そして女性は比率が増加し、女子刑務所はどこも定員2割増の過剰だった。以上は、加賀乙彦『悪魔のささやき』集英社新書0354C、2006年 に書いていた。女子刑務所はどこにあるのか。法務省サイトなどから「女子収容施設」を拾ってみた。○札幌刑務所札幌刑務支所○福島刑務所福島刑務支所○栃木刑務所(栃木市)○笠松刑務所(岐阜県)○和歌山刑務所○岩国刑務所○麓刑務所(鳥栖市)の7つのようである。平成23年版犯罪白書によると、次のようなことがわかる。------------刑事施設被収容者は平成19年から減少に転じ、平成22年末現在は7万2,975人(労役場留置者1,038人を含む。前年比3.0%減)。刑事施設の収容率(年末収容人員の収容定員に対する比率)は、平成5年から14年に大幅に上昇したが、平成17年から毎年低下し、平成22年末現在は収容定員9万182人(うち既決7万2,129人)に対し、収容率80.9%(既決90.0%,未決44.8%)。人員が定員を超える刑事施設(本所に限る)は77施設中13施設。なお、女子については収容率は平成19年以降おおむね横ばい。22年末現在で女子の収容定員5,464人(うち既決3,921人)に対し収容率97.8%(既決120.3%,未決40.5%)で、既決は収容定員を約2割上回る状態が続いている。刑事施設の職員一人当たりの被収容者負担率(刑事施設全体の一日平均収容人員を職員定員で除した数値)は、平成10年の3.04から18年には4.48まで上昇。平成22年も3.88と高水準。なお、女子施設(美祢社会復帰促進センターを除く)の同負担率は4.86で、より高水準である。------------女性の被収容者はまだまだオーバー状態のようだ。ところで、刑務所の増設に関して地元はどう受け止めているのか一応気になった。一昔前には刑事施設の誘致をする自治体すらあったのだが。福島県議会の検索システムでは、会議録に福島刑務所も同支所もヒットしなかった。福島市議会では、刑務所施設拡充に関連して、自立更生促進センター開所と地元への説明について、また、更生保護施設の移転が何度か話題に取り上げられているようだ。刑務所増設、女子刑務所建設の際には、地元として安全対策などを求める発言がある。また、メリットデメリットを問われた市の部長が、職員による税収増、被収容者の人口カウントによる交付税増などを答弁していた。