アウトカウント及び走者状況と得点期待値
イーグルスCS進出に暗雲。好機で打てない。ところで、走者満塁などの「好機」にどのくらい得点を期待できるものか。統計的なデータがある。■川村卓『野球の科学 解剖学、力学、統計学でプレーを分析!』SBクリエイティブ(SBビジュアル新書0022)、2021年■鳥越規央ほか『勝てる野球の統計学 セイバーメトリクス』岩波新書(岩波化学ライブラリー223)、2019年アウトと走者の状況から、そのイニングが終了するまでに何点入るか。サンプルは、NPBで2004年から2013年のレギュラーシーズン全イニングだ。状況走者なし1塁2塁3塁12塁13塁23塁満塁無死0.4550.8211.0401.3601.4171.7211.9742.2001死0.2420.4990.6870.9190.9051.1581.3351.5412死0.0910.2140.3210.3710.4340.4870.5860.740このうち、「無死走者なし」の場合とは、当然ながらどのイニングでも最初に出現する状態なのであり、157,706回の機会があった。逆に最も出現数の少ない走者状況は、「無死走者3塁」で1,507回、つまり年に100回程度しかない機会である。高校野球になると多少状況が変わる。無死満塁(1.90)よりも無死二三塁(2.18)の方が期待値が高い。(2017-2019年、春夏の甲子園大会219試合のデータ)