カテゴリ:仙台
10月29日から、広瀬川の水が赤く濁ったことがニュースになった。 (以下、各メディアの報道から。)29日に広瀬川の水の色が変わったと警察に通報が相次ぐ。30日、霊屋橋から宮沢橋の付近で2km近く赤い変色が確認され、警察から東北地方整備局仙台河川国道事務所に通報があった。昼過ぎには川の色は元に戻ったが、近くで鉄さびを含むヘドロ状の固まりが見つかり、かつて周辺にあった亜炭の炭坑から鉄さびが流れ出たとみられる。 河川管理者の宮城県では、広瀬川に接続する向山二丁目の雨水本管(直径2m)から鉄錆が流れ落ちた可能性があるとみて、仙台市下水道南管理センターに調査を依頼。同センターがはけ口2か所を点検したが異常は確認されなかった。31日に同センターがはけ口辺りで【*注】、自然由来の鉄錆とみられるヘドロ状の堆積物を発見。周辺の亜炭廃坑の地下水がはけ口から排出され、地下水に含まれる鉄分が参加して堆積した可能性がある。 (【*注】仙台放送の報道では、太白区郡山としているが、それだとかなり下流になる。太白区向山の誤りかと思うがどうか。映像では白いマンションが映っていた。) 地中の雨水管の奥には、亜炭坑の廃坑跡と思われる接続があることから、そう考えられる。仙台では特に青葉山エリアから八木山エリアにかけて亜炭層が多くあり、今も広瀬川沿いにはよく見かけられる。戦前から亜炭は家庭用の燃料として広く利用されており、そのため広瀬川沿いにはかつて多くの亜炭の坑道があり、いまも名残は多く残っているという。 戦後しばらくは掘っていたが、亜炭が燃料として使われなくなると、廃坑を埋め戻す資金がないので、入り口をふさぐくらいで中は坑道が残って地下水がたまり、地層中には鉄分もあるから赤茶さびた水となって残っており、これが川に流出した可能性がある。 過去にも同様の事例があった。2010年12月と昨年6月で、いずれも雨水管にたまった鉄さびの流出が原因。人体への影響はないことが確認されている。 (報道の概要は以上)。 ■関連する過去の記事(広瀬川周辺、地層、亜炭) 宅地災害フロンティアの東北(2024年05月28日)=緑ヶ丘などの宅地災害 広瀬川の名を考える(2013年11月30日) 愛宕下の発電所(2013年11月25日) 鹿落旅館のこと(2013年11月24日) 足元の仙台を掘りおこす 亜炭香古学(2013年07月26日) 大年寺山(08年10月18日) 八木山と鹿除土手(08年10月13日) 仙台の名の由来(07年9月20日) 西多賀を考える(07年5月23日) 私の「越路」の思い出(05年12月28日) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.11.05 20:19:23
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