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<漢字検定>高3の2級合格率、10年連続で2割切る
日本漢字能力検定協会(本部・京都市)が主催する漢字能力検定(漢検)で、高校卒業程度とされる2級の高校3年生の合格率が97~06年度に10年連続で2割を切っていることが分かった。中学卒業程度とされる3級は中学3年生の合格率が5割を超えており、高校生が漢字学習に力を入れていない実態が浮き彫りになった。同協会東京事務局の多和泰美次長は「漢字の活用力が不足すると思考力や感情の幅に影響する」と懸念している。 協会によると、漢検2級は、学習指導要領で高校卒業までに習得すべきだとされる1945字から出題。漢字の読み、書き取りから四字熟語、誤字訂正などの問題が出され、200点満点のうち、約8割で合格となる。 協会が過去10年間のデータを比較したところ、97年度は高校3年生延べ約4万6000人が2級を受検し、合格者は約6600人(14%)。06年度は受検者が延べ約6万9000人と2万人以上増加したが、合格者は約1万2000人(17%)。合格率は14~19%の低水準で推移している。漢検は75年に始まり96年度までは学年別の合格率を出していない。 一方、3級(1608字)では中学3年生の受検者数と合格率が上昇。97年度は中学3年生延べ約4万5000人が受検し、合格者は約1万3000人(29%)。06年度は受検者が約5倍の延べ約23万7000人になり、約13万1000人(55%)が合格した。 高校や大学の入試では漢検資格の取得を合否判定の資料に使う学校が増えている。高校では全体の15%、大学では40%が採用し、受検者数も増える傾向にあるが、高校生は受検者数の「伸び」が中学生に比べて低く、合格率も横ばいだ。 多和次長は「高校では漢字を教えない学校もある。英語や受験科目に勉強が偏っているのではないか」と分析。国語作文教育研究所の宮川俊彦所長は「最近は『漢字の勉強は必要ない』と考える高校生が多い。国の文化を作ってきた漢字をどのように教えるべきか、根本から考え直す時期に来ている」と話す。 漢検は約6000字の知識を問う1級から、小学1年生程度の10級まである。受検志願者は増加傾向で、今年度の総志願者数は270万人を突破した。【三木幸治】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.03.02 15:42:24
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