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2009.02.15
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カテゴリ:資格

2009年2月15日11時0分

 「もうけ過ぎ」と指摘されている財団法人・日本漢字能力検定協会(京都市)が昨年12月、2億円を拠出して、全国に数多くある検定の信頼性を評価する財団法人を設立していたことがわかった。代表には協会の大久保昇理事長が就任。準備段階では、息子の副理事長側が献金している参院議員とともに文部科学相に要望活動をしていた。協会関係者は「検定業界の主導権を握る狙いから新財団を設立した」と話している。

 漢検協会が設立した財団法人は、「資格標準化機構」(東京都千代田区)。団体や自治体が実施する検定・資格試験が2千とも3千とも言われるほど増えているのを踏まえ、それぞれの信頼性や内容を第三者の視点で評価し、検定実施団体に情報提供することなどを目的に掲げている。基本財産と運営資金の計2億円を協会が出し、協会の大久保昇理事長が代表理事、息子で協会副理事長の浩氏が理事に就いている。

 機構の関係者は「日本最多の受検者数をもつ漢検協会の決済・申し込み業務などのノウハウを、機構を通じて、他の検定団体に提供することも検討している」と話す。また、協会の関係者は「機構の『格付け』が他の検定の人気や受検者数に影響するようになれば、漢検協会が他の検定団体を間接的に支配することになる」と機構設立の狙いを説明する。

 各種検定の信頼性確保については、国の中央教育審議会が昨年2月、「民間事業者による第三者評価機関が考えられ、国による評価ガイドラインなどの支援策が必要」と答申。文科省は同5月、「検定試験の評価の在り方に関する有識者会議」を立ち上げ、具体的な検討を進めている。

漢検協会はこうした動きに先立って機構の設立準備に動き、関係者によると、副理事長の浩氏が昨年1月中旬、渡海紀三朗・文部科学相(当時)と面談。設立をめざす資格標準化機構について「国の指定機関にするなど、法制度の中で位置づけてほしい」と要望した。この場には民主党の福山哲郎参院議員(京都選挙区)も同席、「検定の資質を上げる仕組みが必要だ」などと意見を述べた。ただ、渡海氏は「(国の指定などは)難しい」と答えたという。

 政治資金収支報告書などによると、浩氏が代表を務める情報処理会社「日本統計事務センター」(京都市)は03~07年、福山氏が代表を務める民主党京都府参議院選挙区第2総支部に約450万円を寄付。浩氏も個人名義で、04年に同支部へ100万円、05年には福山哲郎後援会へ50万円を寄付している。同センターは06~08年度に、漢字検定の採点や受検料決済など計約31億5千万円分の業務を協会から委託されている。

 福山氏は朝日新聞の取材に対し、浩氏とは知人の紹介で98年ごろに知り合ったと説明。文科相への要望活動については「各種検定の資質を上げ、評価できる仕組みが必要との認識があり、文科相にその旨を伝えた」と答えた。浩氏側からの献金については「政治資金収支報告書に記載の通り、適切に処理している。返還については(協会の)実態解明を踏まえて検討したい」としている。

 協会の広報担当は「内部調査を最優先しており、取材に応じることが難しい状況にある」とコメントした。(山岸一生、小林未来)






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最終更新日  2009.02.15 12:35:18
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