行政書士の登記申請の可能性
先日の商業・法人登記業務の実態等に関するアンケート調査の結果について法務省のHPで公開されています。あれだけ強硬に反対していた法務省にしては意外と中立的な検討がされているという印象です。でも、最後のまとめが気に食わない。===以下、抜粋===3 まとめ 司法書士が商業・法人登記制度において果たす役割,行政書士の業務の実態や専門能力については,本調査のみでその全体像を把握することは困難であるが,本調査の結果からは,次の事情が窺える。 1 今回司法書士に依頼しなかった登記申請人本人に対する調査においては,過去に司法書士に依頼した経験があると回答した方のうち,その際の司法書士の業務について,「大変満足」又は「ほぼ満足」と回答した方の合計が72.5%を占めていることから,司法書士が商業・法人登記業務において,専門資格者として概ね適切に機能しているといえること。 2 他方で,行政書士に対する調査の回答者のうち,66.1%の行政書士が過去に商業・法人登記に関連する業務の「経験がある」と回答しており(その47.2%が1年当たりの平均件数「10件未満」,39.9%が「10件以上50件未満」),行政書士が商業・法人登記に関連する業務に一定の関与をしていること。 また,登記申請人本人に対する調査においては,会社等の定款や株主総会・取締役会の議事録の作成等について行政書士に依頼した経験があると回答した方のうち,その際の行政書士の仕事内容等について,「大変満足」又は「ほぼ満足」と回答した方の合計が77.5%を占めていることから,行政書士の商業・法人登記に関連する業務に対しても,国民が一定程度満足しているといえること。 ======司法書士の部分についてはよしとしましょう。問題は行政書士に対する評価の部分。“「大変満足」又は「ほぼ満足」と回答した方の合計が77.5%を占めている”のは、司法書士の72.5%よりも高いにも関わらず、“国民が一定程度満足しているといえる”という評価にとどまり、やや不満が残ります。でも、これで法務省も行政書士を評価しているということがうかわれますので、登記業務の開放に少しは近づいているのかなと思います。