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やさしい法律・行政手続入門

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ニューストピックス

2006.10.15
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 正解(4)

(1)許される

 憲法62条

「両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求する事ができる。」

 国政調査権の性質については、議院に与えられた権能を実効的に行使するために認められた補助的権能である、とするのが通説です。

 そして、国会ないし議院は,立法および予算決議によって行政を統制し、また議院内閣制によって広く行政監督権を有しています。

 これらの権能を行使する上で、行政権の作用の合法性・妥当性について調査することも可能であり、したがって、内閣が有する最高裁判所の長官の指名権についても、それが適法・適切に行なわれているかどうかを調査するために、国政調査権を行使することは許されます。

(2)許される

 国政調査といえども、司法権の独立を侵す事は許されません。

 しかし、本肢のように、司法制度に関する立法資料を得る為に、裁判事務の運営を調査しても、裁判官の裁判活動に事実上重大な影響を及ばすとは言えず、許される範囲といえます。

(3)許される

 予算の適正使用を調査する目的で、司法行政事務の取り扱いについて調査するとしても、裁判官の裁判活動に事実上重大な影響を及ぼすとは言えず、許される範囲といえます。

(4)許されない

 現に、係属中の具体的事件について、証拠調べの当否を審査する為に国政調査を行なう事は、その対象が前審としてなされた行政不服申立審査手続の争点であったとしても、裁判官の裁判活動に事実上重大な影響を与えるおそれがあるといえます。

 したがって、このような国勢調査は許されません。

(5)許される

 憲法は、地方自治を保障しています。

 それゆえ、国会あるいは議院が調査権の行使によって、「地方自治の本旨」、特に地方自治の自主的な運営に干渉することは許されません。

 ただし、地方公共団体の長その他の機関に委任された「機関委任事務」(平成11年の法改正によって、機関委任事務は廃止されています)は、本来、国の事務である以上、各議院がそれについて調査しても、地方自治の本旨を害する事にはならないと解されます。

 なお、改正法によって新設された国が本来果たすべき役割にかかる法定受託事務につき、議院が国勢調査を実施することも、同様の理由から、許容されると考えられます。

司法試験 S41 問題12

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最終更新日  2006.10.15 15:54:15
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